カッと目を見開いてこちらを睨む基山君はイケメン台なしだ。黙っていれば線の細い、大正時代の小説にでも出てきそうな薄幸っぽい美少年なのに。一見細くみえる彼の白い腕にはうっすらと筋肉がついていて、ただ華奢なだけではないのだなと一人ごちる。
「円堂君、どうかしたの?」
一歩一歩こちらにゆっくり近付く彼にBGMをつけるとしたら間違いなくダースベーダー。普段にこにこしてる人ほど腹の中が黒いから人生こわいよね。
「お腹が痛いんだって。」
僕の膝に頭をのせてうんうんと唸っているのはキャプテンだ。まあ最も、ベンチに寝ていたキャプテンに枕があったほうが良いだろうと膝を勧めたのは僕だけれど。
「…そう。」
基山君はそう言うとキャプテンの横にすっと座った。キャプテンが額に浮かぶ汗を拭って、目をうっすらと開ける。茶色のレンズが生理的に浮かぶ涙でゆらゆら揺れていた。
「ヒロト?」
「うん、大丈夫?」
基山君はそう言うとキャプテンの髪をそっと撫でた。いやどこのドラマ演出だよ。二人の世界作ろうとしないでね、僕通行人Aじゃなくてばりばりのメインだから。
「ん…さっき薬飲んだから。」
キャプテンのこの痛みは多分生理痛なのだろう。(デリカシーの鬼な僕はそんなこと口にしないけど)恋愛に興味のなさそうなキャプテンだけれど、やっぱりいつか子供を産むのだろうか。
「そっか。」
基山君はそう言うとキャプテンの頭をそっと撫でた。おーい、自分に酔ってますかー?キャプテンには絶対基山君のこどもは産んでほしくないなあ。何となく。
「吹雪くん、膝、代わろうか?ずっと同じ体勢だとつらいでしょ。」
にっこー、と厭味なくらい格好よく基山君が笑う。いや下心ミエミエだって。同じくらいにこにこ笑いながら「いや大丈夫だよ。」と返してやると、「無理しないでね。」とまた笑顔で返された。今舌打ち聞こえた気がする。
「うーん…。」
キャプテンが眉をひそめて声を漏らす。どうにかしてやりたいなと思う。やっぱり、僕は彼女が好きなのだろう。痛みを取り払ってやりたいとも思うけど、いつか陣痛という痛みを与えたいとも思った。僕が彼女の身体に影響を及ぼせる唯一の方法だから。
「…俺と吹雪くんって似てるよね。」
ふと僕の心を読んだように基山君が言った。やっぱり笑顔が怖いね、助けてキャプテン。基山君のこと以外からは全部僕が助けるからさ。
「そうかもね。」


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ありゅさん
→こんにちわー!七万打ありがとうございます(´∀`)
紅白サンド…いいですよね…!目にも鮮やか!かわいい!美少年!とってもおいしいサンドです^///^
にしてもセクハラがボディータッチとかじゃなくて妊娠とか生々しい話ですみません…(^o^)/書き直しいつでも受け付けます!リクエストありがとうございました!



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