※一年後
※いろいろパラレル


俺が中学を卒業する日、涼野も地球を卒業すると言った。星の輝く空を眺めながら「あの向こうに私は帰るんだ」と言った涼野は冗談を言っているようには見えなかったから多分本当なんだと思う。
「みんなも?」
「ヒロトも晴矢も父さんも姉さんもみんな。」
それは寂しいなと思った。サッカーする友達が減るのは、とても嫌だ。
「俺は中学を卒業する。卒業って、何かを学び終えたってことだろ?」
そう言って涼野の目を見ると、不思議な色に光っていた。赤いような青いような、よく分からないが綺麗な色だ。
「涼野は、地球で何を学んだんだ?何から卒業するんだ?」
そう問うと、涼野は目をぱちぱちとして、それから小さく笑った。
「サッカーから、それから君からかな。」
卒業証書を片手に涼野を見る。俺は卒業証書を貰ったのだから、涼野も何か貰わなきゃいけないだう。足元のサッカーボールを見る。そして、それを拾い上げた。
「涼野風介様、ご卒業おめでとうございます。」
校長のかしこまった言い方を真似すると、涼野は小さく笑って、俺からサッカーボールを受けとった。使いふるして汚れてしまったボール。
「ありがとうございます。」
涼野はそれを足で軽く蹴ると、無表情のまま礼をした。それから踵を返すと10歩進んだところで涼野がぱっと消えた。今のが地球から卒業、ということなのだろうか。なんとまあ呆気ないものだ。
「あ」
空を見ると、星がきららと光った。俺はまだ卒業出来てない、涼野から。

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ふわふわした感じにしたくて大失敗
卒業おめでとうございます


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