「さ、食べて」
目の前の机にはマルコお手製のジェラートがところせましと置かれている。フィオルディラッテ?とかいう濃いミルクの味のジェラート、木苺とラズベリー練乳添えの甘酸っぱいジェラート、ビターチョコとスイートチョコが層になり見た目も楽しいチョコレートジェラート、青りんごの果汁で作られたさっぱりした味のジェラート、アフォガードというエスプレッソをかけたジェラートも、他にも色々ある。どのジェラートもすごく美味しそうだ。きらきらと光って見えるそれは、自分とは似合わないが。
「本当に食べていいのか?」
「もちろんさ!エンドーのために作ったんだから。」
イタリア男はこういうことをさらりと言ってしまうから厄介だ。マルコに女扱いされていると思うと何だか嬉しくなる自分も嫌だ。
「じゃ、これ。」
手間にあった鮮やかなオレンジ色と柔らかい赤色がマーブルになったジェラートを手に取る。その瞬間、一瞬動きを止めたマルコがにやっと笑った。
「ど、どうしたんだ?」
「何でもないよ!」
急にニコニコしだしたマルコを不思議に思いつつジェラートを口に含む。太陽をたっぷり浴びた新鮮なオレンジの味と、まったりした柔らかい苺の味が冷たさと一緒に舌に溶けていった。
「これうまい!」
「ほんと!?よかった」
本当に嬉しそうにマルコが笑った。ジェラートを食べ進めていく内に、舌に何かが当たった。ハートの形をしたチョコレートだ。
「細かいなあ。マルコすげえよ!本当、女の子に上げたら喜ばれるだろ?」
「まあね」
マルコがにっと白い歯を見せて笑った。黒いエプロンは彼によく似合う。
「それ、美味しい?気に入った?」
「ああ、もちろん!」
マルコが俺の手からジェラートを取って一舐めした。呆気に取られる俺を尻目にマルコが笑う。
「これさ、俺とエンドーをイメージして作ったんだ。」
マルコがまたジェラートを舐める。赤い舌がやけにはっきり見えた。

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私の書くマル円食べてばっかや…


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