※ちょっと下品

「盛んなナルトレーネ」
ばしっ、と音がして視界からミストレさんが消えた。代わりに現れたのは、困惑顔のエスカバさんとバダップさんだった。バッとミストレさんが起き上がる。
「なにっ、すんだエスバカ!顔に傷がついたらどうすんのさ!」
「打ち合わせに来たらお前がマネージャー襲ってるからだろうが!」
「合意の上さ!」
合意した覚えはないなあ、とこっそり思いつつベッドから体を起こす。開けまくったシャツをバダップさんが何も言わずに直してくれた。
「おいマネージャー、今日俺の部屋泊まってもいいぞ!こいつの所にいたら駄目だ!」
ミストレさんと言い合いをしていたエスカバさんがこちらを向いて言った。ミストレさんが眉間に思いっきりシワを寄せる。
「守やめといた方がいいよ、コイツのところに泊まった方がもっと危険だ。童貞は暴走した考えと妄想がごちゃごちゃになってるから蒲鉾プレイとか変なことさせられて、明日には泣きすぎてミイラになるよ!」
「そんなことするか!後童貞って言葉取り消せ、取り消せ!」
二人の言い合いがヒートアップしたところで、バダップさんが俺の横に座って、見張っておくから寝ていい、と言った。普段無表情で無愛想なだけに、優しさが体全体に染みるように広がっていく。しかし俳優に一介のマネージャーがそんな待遇をするのはおかしい、そう伝えたがバダップさんはゆるゆると首を振って俺を寝転がせた。
「本当に、いいんですか」
「ああ。直にあの言い争いも終わるだろう。」
悪いとは思いつつも、連日のハードな仕事の疲れのせいで瞼が言うことを聞かない。
「…すみま…せ」
「気にするな」
目を完全に閉じる。この時俺はまだ、次の日酒臭いバダップさんとエスカバさんが床に転がり、半裸の俺をミストレさんが抱きまくらにしているということになるのを知るよしもなかった。

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ベタですね(^▽^)



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「見えない臓器の名前は」
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