※幼なじみパロ
※病んでる南雲さん
※完全パラレル

晴矢と俺はずっと幼なじみで、違う中学に通っているが今でも仲がいい。小さな頃は一緒に公園で日が暮れるまでサッカーをしていた。兄弟みたいね、と言われる度に俺は笑って晴矢は怒っていた。「守は俺の恋人なんだ!」と意味も分からず言う晴矢を皆が微笑ましく見ていたのを覚えている。

「よお、守」
練習が長引きいつもより遅く家に帰ると、ドアの前に晴矢がいた。外は寒いのにラグランTシャツとズボンという薄着で立っている。
「どうしたんだよ?」
「サッカーしたくなった。公園いこうぜ。」
晴矢の唐突な発言に驚く。この半年ほど晴矢とサッカーをしていなかったからだ。互いの部活が忙しいというのもあるが、彼が自分を避けてるような気もする。何だかうれしくなって、一つ返事で了解した。鞄を玄関前に置くと、晴矢が手を握ってきた。小学生の頃に「恥ずかしい」と手繋ぎを嫌がったのは晴矢の方だったのに。
「懐かしいな」
晴矢がポツリと言った。うん、と返事すると晴矢が笑った。何と言えばいいか分からない、見たことのない顔だ。
「部活楽しいか?」
そう言う晴矢の声は落ち着いていた。触れている手が熱くて、顔までほてっている。
「うん」
そう言った瞬間晴矢がぐっと唇を噛んだ。目がぎらぎら光って、眉を潜めている。見たことのない恐ろしい顔。思わず歩みが止まって、晴矢が振り向いてきた。
「俺といる時よりも?」
晴矢の目がじっと俺を見つめる。ごくりと唾を飲む音が耳の中で反響した。
「晴、矢」
「答えてくれ」
晴矢が俺の肩を強い力で掴んだ。向かい合う形になって、通路の鉄柵に押し付けられる。
「いっつも家から見えた。お前が俺の知らない色んな奴と帰って、話して、ふざけて、笑ってた。」
俺の知らない色んな奴、という言葉が引っ掛かった。もう一人幼なじみである風丸と晴矢は、結構会う機会があったはすだ。それを知らないとはどういうことだろう。
「風丸、知ってるだろ?」
そう言うと、晴矢は苦々しい顔をしながらも首を振った。
「そんな奴、お前じゃない奴は知らない」
晴矢は至極真面目に言っていた。ぞわり、背中に鳥肌が立つ。今日の晴矢はどこかおかしい。
「お願いだ、答えてくれ、俺だって」
晴矢から目が離せなくて、そのまま黙りこんでしまう。気が付いた時には晴矢は笑っていた。
「なあ」
晴矢が掴む肩に爪が食い込んで、じわりと血が滲んだ。

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五月ちゃんへの捧げ物です(´∀`)
こんなんですみませ…!!



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