※色々注意
※数年後

え?ああ、確かに俺は南雲だけど。あんた誰だ?…ふうん、で何?何が聞きたい?ああ、そのこと。勘弁してくれよ、俺は確かにあいつと同じ施設で育ったけど、そのことについちゃあんま知らねーんだよ。何これ?…へえ、あんた物の頼み方よく知ってんな。いいよ、じゃあ今回はお前の熱意と財力に負けたってことで。つっても本当によく知らねーぞ、あ、これはもう帰さねーからな。つーか俺の好きなブランド何で知ってんだ?偶然?まあいいけど。えっとなー、涼野は円堂が好きだったんだよ。知ってる?まあそりゃそうだよな、結構あからさまだったもん。あいつ当時は円堂となんかある度ぎゃーぎゃーいってさ、まあ可愛いもんだったんだろうな。俺としちゃうるさいだけだったけど。でさ、中三の時…もう卒業間際だったかな。直接会ってはなかったけど、風介と円堂はメールとかでやり取りしてたらしいぜ。んで、多分こっからあんたが聞きたいこと。風介がある日いきなり無口になった。最低限の会話しかしなくて、部屋に引きこもってたな。どうしたんだよって言ったら風介、なんか紙に書いて見せてきた。「言葉の力をためている」って。ああうん、思えばもうおかしかった、目据わってたし。なんかそれ以上聞けなくてさ、一回ヒロトが風介の部屋行ったんだけど入れてももらえなかった。何か日に日に視線があやふやになってって。んで、まあ一番怖かったのが、…そ、お察しの通り円堂が消えた頃。そんな怖い顔しないでくれよ。俺だって警察に言ったけど信じてもらえなかったし、だから皆に言うの止めたんだよ。俺の勘違いだったら嫌だし。…まあ、もう五年前のことだし、この際言うわ。あの夜、便所に行きたくなって起きたんだ。便所行く時は風介の部屋の前通らなきゃなんだけど、部屋の中から何か声がするんだよ。ちょい高めの男の声…よく考えたら円堂の声に似てたかもな。まあDVDでも見てんのかなって思って通り過ぎたんだけど、帰りにやっぱ気になってドアに耳当ててみたんだよ。したら誰か泣いてんの、風介の声じゃない奴。ごめんなさいごめんなさい、最初はずっとそう言ってた。んで何か泣き止んできて、それから「やっぱり風介といる」って誰か言ったんだよ。何かゾッとしちまってさ、思わずドアから飛びのいたら壁にぶつかって「ガンッ」て音がしたんだよ。漫画みてーだけど。したらなんか足音が部屋から近付いてきて、ゆっくりドアが開いたんだ。にこにこ笑った風介だった。怒ってる風でもなくて、なんだ晴矢か、って笑いながら言ってきた。何してたんだ、そう聞いたらあいつにやって笑って「言葉の力がたまったんだ」って言った。は、って聞き返すと、風介が自慢話みたいに言いはじめてさ。言葉には力があってそれは溜めるこたが出来る。その溜めた力をいざという時使えば、きっといいことになる。そんな感じのことをすげえ早口でまくし立てるから怖かったな。んで風介がいきなり真顔になって「誰にも言うなよ、じゃあ、また。」
そんでドアが閉まったんだけど、俺、部屋にオレンジのバンダナが転がってんの見ちゃったんだよ。そんで風介が消えたのが次の日。円堂は一週間前からだったっけ?風介の部屋入ったらびびったね、部屋の壁紙に隙間なく「風介と一緒にいたい」って書かれてた。風介の字じゃなかったから、多分、円堂。言葉の力っつーか洗脳ってやつ?いやあー、怖かった。後から聞いた話だけどさ、円堂って高校になったら海外留学する予定だったんだろ?…まあよくしらねーけど。そんで俺の話はおしまい。あ?いいっていいって、どうせ暇だったし。あ、さっき思い出したんだけど、円堂の同級生って、あんた、鬼道…だよな?おお、合ってた合ってた。円堂探して五年かあ…他の奴らも色々やってるらしいな。仕事もあるんだろ?根詰めんなよ。俺?心配かあ、別にしてねえなあ。冷たいと思ったか?…何か知ってるのかって?別に、年に一回連絡があるくらいだ。おっとこれ以上は話せないぜ。あんまり風介の邪魔されたら困るし。あいつ、あんなだけど悪い奴じゃねーんだ。円堂にも優しくしてやってるらしいから、見逃してやってよ。んじゃな。

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ヤンデレ涼野ってあんまり見ないなあと思いまして
最近ヤンデレばっかですみません^o^


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