※数年後

不動からのプロポーズの言葉は、普通の、本当に一般的なものだった。「結婚するか」なんて俺の部屋で寝ながらテレビを見ている時に言われて、本当の本当に驚いた。綺麗な夜景を見ながらとか高級レストランで食事をしながらのプロポーズをほんの少し夢見ていた俺には、少しばかり衝撃だった。そして思わず「は?」なんて言ってしまい、不動を怒らすことになったのだが。

「わあ、綺麗!」
春奈が声を上げた。白いドレスはシンプルだが凝ったデザインで、綺麗だと思える。不動が選びに選びぬいたドレスだ。秋もにこにこしながら俺を見ている。
「本当、結構様になってるわよ」
夏未が言う。夏未が着た方がよっぽど似合う、そう呟くと不動にちらりと睨まれた。冬っぺが不動を見てくすっと笑う。
「円堂、何だか女らしくなったな」
鬼道がそう言ったのがきっかけの様に、皆が口々にそう言い出した。うるせー、そう言いながら不動の元に近寄った。
「あと、これからは不動だからな!」
不動の肩に手を回す。不動の赤くなった顔は白いタキシードと対照的で、よく目立った。皆がひゅうひゅうと口笛を吹く。不動に向かって笑いかけ、すうっと息を吸った。

「不動守は、不動明王を絶対に幸せにします!」

不動のあんな照れた笑顔を見たのは、出会って初めてだった。

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結婚当日に満面の笑みを見せちゃう明王かわいいと思った結果です



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