放課後、鬼道を誘ってラーメンを食べに行くことになった。正直鬼道を誘う時は心臓が爆発しそうだったが何とかなった。お坊ちゃんな鬼道だが意外と庶民の味も好きらしく、たまに寄り道に付き合ったりしてくれる。今度は駄菓子屋に誘おうかな、なんて思いつつ足をラーメン屋に向ける。二人は緊張するから豪炎寺にもついて来て欲しかったのだが、俺の気持ちを知っている豪炎寺は気を利かせて帰ってしまった。

「ラーメンうめー!」
二人でいることへの照れをごまかす様に言うと、隣の鬼道はふっと口元を緩めて「うるさいぞ」と呟いた。怒っているわけでもなく、やんわりと注意してくる、母親のような感じだった。そこで子供扱いされたことに気付いて、何だか腹が立ってくる。ラーメンを勢いよく啜ると、汁が目に入って更にイライラした。
「円堂」
鬼道がポツリと呟く。ゴーグルの下の涼しげな吊り目が見えて、一瞬胸がドキッとした。
「な、なに」
鬼道の顔がぐっと近くなる。顔が赤くなっている気がした。
「聞きたいのだが」
鬼道の髪の毛が頬に少し当たってくすぐったい。少しだけ低い声が耳元で聞こえて少し首筋の方がぞくぞくした。
「替え玉って何だ」

鬼道の目線の先には「本日替え玉」の看板がある。
「ときめき返せ」
そう呟くと、鬼道は首を捻り不思議そうに「替え玉…ときめきという意味か?」と言った。もう知らん。好き。





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