「マークって絶対早死にするぜ」
氷が溶けて薄くなったコーラを啜って円堂が言った。いきなりの言葉にハンバーガーからピクルスがぽろっと落ちる。
「なんでいきなり」
「だって二人で出かけた時だけでも、いっつもハンバーガーとかチキンとか食べてるじゃん」
ううんと頭を捻って考えてみると、確かに円堂の言う通りだ。
「そういうのばっかり食べてるとすぐ死ぬってテレビで言ってたぞ」
ユニコーンの皆もジャンクフードを好んで食べていたので余りそう考えることはなかったが、確かに健康に悪いと聞いたことがある。円堂はむすくれた顔をしていた。
「というか、マークはあんまり好きって言ってくれないし、こういう風に友達といるのと同じみたいな雰囲気だし、これじゃデートじゃないみたいだ。」
非常にまずい状況になってきた。これは経験上とかテレビドラマをふまえて考えると別れ話になる。確かに俺は少し口下手だから好きとは余り言わないが、ちゃんとそう思っている。円堂にばかり言わせていたことが今更ながら恥ずかしくなってきた。どう返事しようと頭の中で考えていたら、にっと円堂が笑った。
「だから、今度からマークが好きって言ってくれたらこういう店で飯食べてもいいぜ!」
もし言わなかったらうんと高い店で食べてやる、と円堂が踏ん反り返った。拍子抜けした喉に留まる「好きだ」の言葉を胸に戻して、ほっと溜め息をついた。
「ああ、分かった」
円堂は機嫌良さそうに頷くと、また薄いジュースを啜って俺のポテトを横取りした。


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