僕ってやっぱり神だと思う。というか僕だけでなく、人間みんな。自分を神神言ったって結局僕は食事をしたり排泄をしたり睡眠をしたりオナニーをしたりして生きている。世界から見れば一介の中学生に過ぎない。しかしそんなこと言ってしまえばみんながみんな一介の何かなのだ。世界から見て特別な存在などない。一介のサラリーマン、一介の富豪、一介のテロリスト、一介の政治家、つまり一介の人間。人間みんな結局同じなのだ。その人間は皆精神力が弱いから、縋る物を作り上げた。それが神。神が人型なのは人間がそれ以外に思い浮かばなかったからだろう。動物型でないものが多いのは、結局人間が動物を下に見ていて崇める対象としていない証拠だ。人間は人間が一番だと思っているから神も人間と同じ容姿をしている。神も人間も同じ、みんな神なのだ。
「照美のその意見好きだぜ」
円堂君は僕を見ながら言った。ちなみに僕は今一言も喋っちゃいない。心の中でずっと考えていただけだ。
「その方式でいくと神に祈るっていうのは人間に祈るってことだろ?つまり仲間を信じることに繋がるじゃないか。」
なんとも的外れだが彼らしい答えを聞いてがくっと力が抜けた。しかしそれ以上に自分の心が読まれていたことが気になる。円堂君に目を向けると、彼は笑った。
「何で僕が考えてること分かったの?」
「ん?そりゃお前の考えた通り俺も神だからさ。」
彼の言っていることが分からない僕と僕の言っていることが分からない彼はお似合いだと思う。


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