見た目には美しいものなーんだ。答えは恋。異論は認めない恋だ。しかし一般的にはそう思われていないようだ。よく恋する女の子が「綺麗になったね」とか言われてるけど、あれってつまり、綺麗なことをしている=綺麗になるってことじゃないんだろうか。国語も数学も苦手だからよく分かんないけど。ドラマを見ていても恋は綺麗なものだっていう世間の常識が広がってるから不倫も美化されちゃってる。本当に好きな人といたいなんて言うなら最初から結婚するなよって話だ。
「ねえキャプテン」
吹雪がにこにこ笑う。ぬるま湯にちゃぷちゃぷ浸かっているような力が抜けきった顔だ。
「何だ?」
この瞬間の気持ちだけを汲み取ってしまえば恋は綺麗だなあなんて納得できる。もっとこの顔を見ていたいだなんて思うし、こっちもほにゃほにゃした顔になってしまう。
「好きだよ」
吹雪が目をぱちりと開けて、薄い色素の目が覗いた。肌も白い吹雪の色合いは見ていて何だか引き込まれそうだ。
「俺も」
この時点で俺の心はもうどす黒くなってしまった。綺麗だなんてとても言えない程に汚くなる。その言葉を俺に後何度言ってくれるのか、そのあとは誰に何度言うのか。考えると気分が悪くなる。目の前で笑っている吹雪は、隠しているだけでそんな男なのだ。きっとそうなのだ。吹雪の人差し指と俺の薬指を絡む。俺はそれを黙って見ながら、一人俯いた。


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何だか私の書く吹円は
語ってばっかですねすみません


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