人生とは常に何かに責め立てられている。私がこの14年で考えたのはそんなことだ。恐らくこれからずっとその考えは変わらないだろう。幼い頃から老いる頃まできっと周りに責め立てられて生きるのだ。きっと私だけではなく父さんも、晴也も、ヒロトも、それから円堂もみんな。責め立てられながら責め立てて生きている。自分が生きている理由だとかそれを人になすりつけて今日も堂々と胸をはって歩くのだ。自分を持てという意見も耳にすることはあるが、まあ人間他人に依存しないと生きれないものだ。他人に責め立てられて自分を再確認する。他人を責め立てて他人を再確認させる。ずっと昔から変わらない、いわば人間の慣習だろう。
「風介の意見は独りよがりだよ」
誰かがそう言って笑ったことがある気がする。ああそう、で流した言葉が今頃になって頭の中をぐるぐる回った。
「円堂守は皆に再確認されて、再確認して、もう疲れているんじゃないの」
声は頭だけでなく体中をくるくる巡っていく。髪の毛をぐしゃりと掻いた。
「そこに君まで加わったらどうなるのさ」
声はそこで途絶えた。うるさい、小さく声が出る。そんなこと言ったって分かったってどうにもならないのだ。
「自覚しているからいいんだよ」
ぐちゃぐちゃになった髪の毛をそのままにゆっくり息を吸って吐いた。それから、円堂のことは金輪際口にするものかと一人誓った。


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負担になりたくないガゼルさん


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