彼女のスカートから伸びる滑らかな足が好きだと思った。それに経血が伝っていく様子は綺麗だとも感じた。守は泣きそうでもなく、ただその血をじっと眺めていた。
「俺って、やっぱり女なんだな」
静かにそう呟いた守は、顔をゆっくり上げた。それが私の目とかちあって、お互い暫く無言になった。
「ヒロトは、女の子らしくて性格も優しくて、服装とかだって可愛い」
守がぽつりぽつりと続ける。経血はすでにひざ小僧まで届きそうなくらいに垂れていた。
「…俺は、女になりたくないんだ」
守はそう言ってまた足を眺めた。それからゆっくりと手を腹部に当てる。顔が歪んだ。
「痛い?」
そう聞くと、守はその場に座り込んで、ぎゅっと口を閉じた。小さく頷いた頭を見て、私もしゃがんだ。
「私にとって、守は一番女の子だよ」
彼女にそんな酷いことを言ったのは、少しいらいらとしたからだ。守は女がキャプテンをしているのかと笑われたことが一度や二度ではない。それを気にしているのだろうと分かっていながら言った。だって、今の私と同じようなことを考えていたから。
「それでも私、男になりたいなんて思ったことはないよ」
守の頭を一度撫でた。守は泣く寸前の顔をして、私に抱き着いた。守を孕ませることが出来る男なんてみんないらないと思いながら、守を強く抱きしめた。


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