※いろいろ性格おかしい
※ちょっとオカルトチック

最近白昼夢というものを見た。穴を掘っていて、一段落しようと水を飲みに井戸へ向かった瞬間。足がくらりとよろけ、すうっと景色が濃い青に変わった。瞬く星を見て、これは夢かとぼんやり自分の中で合致した。穴を掘って疲れているのだろうと夢の中の私は冷静だった。ふと、穴をざくざく掘る音が聞こえてちょっと驚いた。こんな夜中に自分以外穴を掘る人間がいると知らなかったからだ。音の方向にふらふらと歩を向けると、人影が見えた。暗くてよく見えないが、自分と同じ装束を着ているのがわかり、更に驚いた。四年に穴掘りが好きな奴が他にいたとは、一人そう考えながら更に近付いていく。裸足で砂利の上をあるいたが、不思議なことに痛みもなく、足音などしなかった。人物に近付いていくと、その男は自分と同じ踏み鍬を持っていた。それで穴を一心不乱に掘っている。何かを埋めているようにも見えた。二人くらい入れそうな大きな穴だった。少し背伸びをすると埋められているものがちらりと見えた。その瞬間、ごくりと唾を飲んだ。皮膚がぴりぴりして何も言えなくなる。よく見ようとまた一歩近づく。そこで、体がぴくりと動いた。男の顔が不意にこちらを向いて見えたのだ。
「あ、」
私じゃあないか。
そう思った途端に、夢の私はその穴の中に飛び込んでいった。ゆらりと視界が揺れていく。

意識がはっきりしていて、景色がぱっと昼の明るさに戻った。気付くと井戸にもたれ掛かり、ぼんやりとしていた。自分は夢を見ていたのだ、そう思いながらゆっくり立ち上がる。しかして、どうにも何もかもリアルな夢だと思った。あの夜の空気、土の匂い、それから埋められている乱太郎。そこで昔タカ丸さんの言っていた、予知夢、という言葉が頭を過ぎった。
「あれ、綾部先輩」
いつの間にか乱太郎が自分の前にいた。突っ立っていた自分を心配しているらしい。
「どうかなさったんですか?」
乱太郎はそう続けた。しかし、それに答える気にもなれずにただ小さくつぶやいた。
「近々僕と君は心中するかもよ」
何を言ってるんですか、乱太郎がからから笑った。だから自分も微笑んで、夢の自分が穴を掘っていた場所をちらりと見た。当然の如く何もありゃしなかった。

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管理人は意味不明って言葉でできてます


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