※少し基緑基っぽい描写あり
※基山さんがおかしい


「俺は今から君を犯す」
ヒロトは淡々と、しかしはっきりした声で言った。顔はいつもの通り青白く、唇は不健康な赤紫にてかっていた。
「…ヒロトの冗談、面白くないよ」
茶化してしまうのは自分の悪い癖だと分かっている。けれども、ヒロトの動きのない目に、自分は酷く怯えていた。
「冗談だろ」
「俺は面白くない冗談は嫌いだよ」
ヒロトは会話し始めてから、初めて笑顔を見せた。唇をうっすら曲げる、ヒロト独特の笑みだ。元々整った顔をしているからか、その表情はなんだか凄みがある。
「もう円堂君とセックスはした?」
ヒロトがまた真顔に戻ってそう言った。今日のヒロトはやけに輪郭がはっきりしていて、だからこそ緊張してしまう。ごくりと唾を飲んで、掠れた声で言った。
「ヒロト、には、関係ない」
その言葉を聞いたヒロトは、俺の手首を掴んで、壁にぐいっと押し付けた。予想外の力に驚き、よろけて頭を壁にぶつけた。ヒロトの顔からますます表情が消えていく。ヒロトの目がきゅっと細くなった。
「俺はね、君が羨ましいんだ」
ヒロトが俺の唇をゆっくりなぞった。思いがけない行動に、直立不動のまま動けなくなる。
「結局人間の原点ってのはセックスなんだよ。その行為をして自分が生まれて、その行為を自分がして誰かが生まれる。ただ性器と性器を合わせるだけで生命がうまれるなんて、素晴らしいじゃないか。」
ヒロトがいきなりべらべらと喋りだした。手首にはぎりぎりと力がこめられていて、とても痛い。
「だからセックスってものはきっとどんどん神聖なものと思われていったんだ。例えば子供を産まないセックスでも、人と人との関係で重要視されてる。それを、その行為を、君は円堂君とする…いや、もうしたのかな」
ヒロトは早口で一気にまくし立てると、俺の目を見て、それからにっこり笑った。円堂の前で見せる笑顔だった。
「君の性器と円堂君の消化器官は触れ合った。円堂君と触れ合った君の性器、ちょうだいよ」
ヒロトが目をうっすら開けた。ヒロトの瞳孔がきゅうっと縮こまったのを見たのと同時に、鼻がつんとして、足が一歩も動かなくなった。



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本気ですみません
テーマは気持ち悪い片思いでした
ほんまにすみませんヒロトいい子なのに



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