太陽に当たればきらきら光る金髪に、すっと切れ長の青い目、睫毛も意外と長い。というか簡潔にいえば物凄いイケメン。アイドル?とかモデル?とか指を向けられながらひそひそ話されていたのをもう十回は聞いた。どうやら彼女達は人を指すなという言葉を習わなかったらしい。まあその上サッカーも上手いとくりゃ信じられない程もってもて。本当イケメンって損しねえよな。なんか言えばそれが正しいってことになって、世界変えられるレベル。人間中身っていうけど中身を知らない人はイケメンを選ぶ、まあ世間の道理だ。問題は、そんな女の子に告られた回数なんて数え切れない系男子のマークに俺がうっかり惚れてしまったことだ。

「好き!付き合って!」
そしてまあ主人公としてベターな道をいく俺は、そのマークに女の子が告白してる場面に出くわしてしまった。慌てて隠れたけどちょっとでも動いたら物音が鳴る。なんだこの状況。
「あー、えっと」
女の子はよく見えないが肩くらいの髪をした金髪の子だ。そして珍しく歯切れの悪いマーク。
「も…勿論」
俺の恋心ぱーん。いやもういっそバーン。いっそ南雲、だめだ前衛的すぎる。頭真っ白だ。そりゃ両思いとは考えていなかったけれども。
「…後何回やるつもり?」
金髪の女の子が低い声を出した。え?びびった。なにあの子二重人格なのか?
「…せめて三回」
マークが言った。何の話かさっぱり分からない。告白はいったいどうなったんだ。
「もう、告白の予行演習っていっても結構疲れるんだからね。」
毎回パターン変えるし、とぶつくさ言いながら踵をかえした女の子は、あれまあ、なんとディランだった。よく見たらユニコーンのジャージも着てる。俺はどれだけ焦っていたんだろうか。ディランはマークの方を見ると、にんまり笑った。
「エンドー帰んないうちにやらないと、これも無駄になっちゃうよー」

南雲。


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ベタな上に意味が分からんってどういうことや…



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