エリ→スタ

スタンの野郎は気に食わない。カイルの次くらいに鬱陶しい、いやそれ以上かもしれない。いつもおいらがすることを笑って見てる癖にたまに冷静なところも、ユダヤちゃんとベタベタゲイくさいところも好きじゃない。クールな振りしてイケメンランキングだか何だかで3位になって、でもウェンディーの前じゃゲロるとか阿呆みたいだ。Dudeとかカートマンとかおいらを呼ぶ声も嫌い。おいらにはちゃんとエリックっていう名前があるんだよ。
「カートマン」
だからエリックだっていってるだろ。その時々鈍感なところも嫌いだ。ようするにおいらはスタンお前が嫌いなんだよ。はい、ということで無視無視、お疲れ様でしたあ。


カイスタ

親友だからと俺達は悩みを相談しあった。親友だからと俺達は宿題を教えあった。親友だからと俺達は登下校を共にした。親友だからと俺達はよく寄り道をした。親友だからと俺達は二人きりで遊んだ。親友だからと俺達は手を繋いだ。親友だからと俺達は食事をしにいった。親友だからと俺達は映画を見に行った。親友だからと俺達は頬にキスをした。親友だからと俺達は一緒にテレビを見た。親友だからと俺達は互いの頬を撫でた。親友だからと俺達は触れるだけのキスをした。親友だからと俺達は家に泊まりあった。親友だからと俺達は髪を撫であった。親友だからと俺達は深いキスをした。
(親友だから、)


トゥイスタ

今日はスタンと一緒に帰った。まあただ、スタンの方はカイルとカートマンとケニーに用事があって、たまたま一人で帰っていたところに僕と会っただけなのだけど。家に帰ってママのいれたコーヒーを飲むと、底にスタンが映っていた。ア゛ッと声が出て、ママが驚いていたけれど慌ててごまかした。もう一度底を覗きみると、やはりスタンがいた。空になったカップの底を指でなぞる。するとスタンの顔はあっという間に消えてしまった。ふうと息をついて顔を上げる。目に入った窓ガラスには、スタンが浮かんでいた。
「ア゛ッ」
また声が出て、尻餅をついた。目をぎゅっとつむっても瞼にスタンが浮かび上がる。頭をぶんぶんと振ってみたがどうしても消えなくなった。
「僕は、ゲイなんかじゃない」
スタンに恋なんかしているわけがない。



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