※完全パラレル
※何でも許せる方向け

最近俺には彼女が出来た。違うクラスだが同じサッカー部の円堂という奴だ。女子ながらサッカー部のキャプテンをしていて、並々ならぬ努力が見えるゴールキーパーとしての実力もすごい。最初に告白したのは俺で、部活が終わった帰り道に思い切って「好きだ」と言った。円堂ははにかんで頷いた。正直ものすごく嬉しかったことを覚えている。その日の夜同じサッカー部の双子の姉にそのことを話すと、俺のにやけた顔が嫌だったのか、しらっとした調子で「そう。」と言った。俺とよく似ているといわれる目がゆらゆらと揺れていた。

それから暫くの間円堂と二人で買い物に行ったり、帰り道に無意味に遠回りしてみたり、下らないことで笑いあったりと普通の中学生カップルのように平穏に過ごしていた。

だから、こんなことなんて思い付きもしなかったし、考えたこともなかった。
「今なんて言った?」
そう呟いて姉を見る。姉はよく可愛らしいと持て囃される顔に笑みを貼付けて口を開いた。
「だから、僕はずっとキャプテンが好きなんだ」
姉はスカートから覗く白くて滑らかな太ももを撫でて言葉を続ける。
「アツヤは狡いよ。男ってだけでキャプテンと付き合えるんだもの。僕ら双子で、根本的な考えは似てて、顔も似てて、ただ性別が違うだけで僕はキャプテンと付き合えない。それって凄く淋しいよ、悲しいよ。」
姉は薄桃色のリップを塗った唇を尖らせると、俺をちらりと見た。それから小さく溜め息をつく。
「胸だって無駄な脂肪だって子宮だって要らないのに、なんで僕は、」
姉は組んだ足を手で抱える様にして黙りこんだ。俺は呆気にとられて何も言えなくなった。
「ね、僕いつかキャプテンを寝取るよ」
彼女の目は本気そのもので、それが凄く恐ろしく感じた。


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