永遠生誕記念 彼に覆い被さられた瞬間、頭のてっぺんからつま先まで一気に熱くなった。と同時に心のほんの一部が冷たくなっていく。いつまでも何も気にしない子供でいたい、そんな気持ちが冷えていった。 「本当にいいのか、円堂」 「いいよ」 それでも、彼との繋がりが欲しい。いつか俺らが恋人ではなくなった時、確かに二人は恋人だったと言える証拠が欲しくて仕方ないのだ。 「無理するなよ」 南雲が俺のシャツのボタンを外していく。それをぼんやり見ながら、口を固く結んだ。シャツが脱がされた瞬間、鼓動が速くなった。 「…嫌か?」 不安げに南雲が言う。気付けば、俺の頬に涙が伝っていた。自嘲するように笑って首を振る。 「うれしくて」 嘘は言っていない。それなのに、困ったように笑う南雲に胸が痛んだ。 2011/02/11 22:26 |