プライバシー重視係乙女




「ぐえ。」
帰り道にこっそり広げた健康測定結果は、散々たるものだった。身長の伸びに対して体重の伸びがすごすぎる。なんだ、正月に壁山と餅食い競争したのがいけなかったのか。負けたのが悔しくてみかん食いでリベンジしたのがいけなかったのか。はああ、と大きな溜め息をつく。と、隣から紙を引ったくった手があった。
「げ、デブじゃん」
「南雲!」
勝手に見た上に冷たくそう言った南雲から紙を奪い返す。失礼にも程がありぎるだろうが。
「うっせーな!」
キッと睨みかえすと、南雲はふんっと鼻を鳴らした。むかつくので、少し言い返す。
「胸のでかさも入ってるからな!」
女子として唯一誇れる(?)ことを言ってやった。また馬鹿にされて頭でも叩かれるだろうと思って頭をガードするが、中々何も仕掛けてこない。不思議に思って南雲を見ると、彼は顔を真っ赤にして立ちすくんでいた。額に微妙に汗をかいている。
「……南雲?」
「えっ!あっ!うっせ!ばーかっ!!」
南雲はばーかばーかと何度も繰り返しながら去っていった。あの、なんかすみませんでした。



2011/02/11 18:29






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