リーマン南×OL円



南雲課長といえばうちの課で一番モテる人間だ。正にモテ度も課長…いや何でもない。彼がモテモテな理由はいくつでもある。顔がいい、声もいい、仕事ができる、収入がいい、あの若さで課長、足が長い…エトセトラ。俺と同じ課の女の子は大体彼に憧れている。しかし俺はその気持ちが ま っ っ っ た く 分からない。課長なんてただの意地悪性悪人間じゃないか。アイツ俺が書類ミスした時なんて言ったか。
「早く仕事やめて結婚でもしとけ」
一文字たりとも忘れていない。あんなに人を殴りたいと思うことはもうないだろう。俺がただの腰掛けOLだとでも思っているのか、ああ思い出したら腹が立ってきた。もう5時過ぎてるし、早く退社して、途中コンビニでビール買って帰ろう。
「おい円堂」
デスクに向かう途中、課長に声をかけられた。内心めんどくさがりつつも「何でしょう」と返事する。
「お前、今日暇か」
「え…はい、まあ。」
今日家に帰ってすることといったらビールを飲んでテレビ見て寝るだけだ。あれ?何だろうすごく嫌な予感がする。
「じゃあ、お前今日俺と二人で残業な。」
ずん、と分厚い資料が手の上に乗せられる。残業、二人で。頭がくらりとした。
「…いつ頃終われますか。」
「9時ぐらいだな。お前とろいんだからしっかりやれよ。」
何故とろい社員を残すのだ、と肩を落とす。仕事が出来る社員は他にいっぱいいるはずだ。何だか機嫌のよさそうな課長を見て、この人はどれだけ俺が嫌いなんだろうかと思った。




2011/02/11 12:30






「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -