吹→円



※世界大会後


燃え盛る火の中に飛び込んでいくような日々が終わって、今はただのろのろとした空虚さだけが残っている。青く瑞々しい草を踏み、白黒のサッカーボールを、まるで黄金でも見つけたかのように心を高ぶらせて走ったのが、もう大分前のことに感じるのだ。している「サッカー」という行為は大して変わらないはずなのに。
理由などとうに分かっているけれど、自覚してしまえば辛くなるのは自分だ。彼がいない位で、こんなに悲壮になる自分が嫌だ。いつか今のことを思い出して「そういやキャプテン元気かな」と思い出すような、薄い膜みたいな関係が望ましいのに。
「僕は、君のために死ねるんだよ。」


体の中で荒れ狂う恋が、転がった。


2011/12/17 21:19






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