不円



涙が止まることなく、彼の目からぼろぼろと溢れていく。
「好きだよ」
嗚咽を漏らしながら彼が言う。彼の小さな喉仏がひくひくと動いていた。
「そんなことを言うのも、今だけなんだろ。」
できるだけ優しい声で言ったつもりだったが、彼の肩は大きく震えた。
「そんなこと、」
そこまで言って彼は、口を開けたまま何も言わなかった。彼は本当にそう思っているのかもしれないが、彼はいつかきっと、どんな形であれ、俺を裏切る。

(もう傷付きたくはない)


2011/12/09 22:07






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