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※51巻ネタバレ
※委員会改選のすぐ後くらい



「伊作先輩、大丈夫かなあ。」
包帯をくるくると巻きながら呟いた彼の言葉に、一瞬胸がずきりと疼いた。別に誰にあてた訳でもない声だが、保健委員会は皆頷いている。そんな中左近が乱太郎を見つめてぼそりと呟いた。
「先輩もだけど、寧ろ大変なのは僕達だよ。潮江先輩…いや新委員長は確かに強くて学園一忍者していると言われているけど、医学薬学については伊作先輩の方が詳しいし、経験もある。それにまだ不慣れなんだ。暫く僕たちの負担は増すと思うぞ。」
それを聞いて、乱太郎はしょんぼりと眉を下げて、静かに薬を煎じ始めた。隣で数馬に足の怪我を治療してもらっていた四郎兵衛がこちらを見てにこりと笑う。
「僕らも大変ですね。こんな大所帯でこれからどうなるんだろう。」
「前より活動内容が緩くなるといいんですけどね。」
七松先輩がいらっしゃらないのは寂しいですが、と金吾が悲しげに言う。
「すごいすりるぅ」
相変わらずのマイペースで頬に手をあてる伏木蔵の隣で、滝夜叉丸先輩が乱太郎達を見つめている。
「なんだなんだ、この私と共に委員会ができることをもっと喜べ。」
「まあ、それは別に…嫌ではないですけど…。」
乱太郎がここに来てからずっと変わらない、浮かない表情で溜め息をつく。その吐息が悲しい音になり、部屋に広がった。
「伊作先輩、帰ってこないかなあ…。」
また胸が痛くなって、不意にその横顔を抓りたくなった。



(一緒の委員会になって喜んだ俺が馬鹿みたいじゃないか!)



2012/04/29 19:04






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