静+帝



※同学年同クラス
※色々パラレル

いじめ…だろうか。いやでも、まさかなあ、うん、いやいやいや。
正臣と再開して、園原さんと仲良くなってから三日。今僕はもしかしたらイジメ?の現場をまた目撃しているのかもしれない。たまたま通った薄暗い路地裏、壁に追い詰められた人と追い詰めてる人。
「本当、気に入らないなあ。」
短ランに赤いシャツという出で立ちの少年が、なんとナイフをちらつかせながら金髪の高身長な少年に絡んでいる。金髪の子は、同じクラスの平和島君だと思われる。入学当日にだれかと喧嘩して机を3つ壊してから、クラス中である意味注目されている人だ。そんな彼が絡まれるなんてあるのだろうか?いや、広い世の中だ、あるのかもしれない。ここで僕は作戦Aを使いたいと思う。そう、園原さんにしたように、偶然会ったように見せかけてどさくさに紛れて一緒に逃げるという作戦。一度成功しているんだ、多分大丈夫だろう。
「へ、平和島くん」
そう声を出すと同時に、二人の視線が一気に注がれた。短ランの少年が赤い目を細める。美形に睨まれるというのは結構恐ろしいもので、背中を変な汗が伝っていった。てかそもそも机を3つ壊すような人はいじめられても仕返し出来るだろうし、なんで僕はノコノコ声をかけたんだろう。あれ、なんか頭混乱してきた。わーい、ハピネスハピネス。
「…えっと、お茶でも飲もう!」
そう言って平和島くんの手を引くと、有りったけの力を足にこめて走った。幸いにも後ろから短ランの人はついて来ない。あれ、なんかあの人笑ってる?こわっ。ひたすら走って、平和島くんもついて来てくれて、短ランの人が見えなくなったところで足を止めた。
「こっ…ここまでくれば…」
ひいひいと息を吐くと、頭がいきなり冷静になった。ナンパのような台詞で引きずってきた平和島くん。…怒ってないはずがない。
「…あっ、あの」
少し泣きそうになりながらも平和島くんを見る。しかし、彼は何故だか微笑んでいた。
「…竜ヶ峰だっけ」
「あっえっ、うん」
「サンキュ。高校ではなるべく暴力するなって弟と約束したから、危うく守れなくなっちまうところだった。」
平和島くんがにっこり笑う。意外と幼いその顔に、なんだか嬉しくなった。


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親友な二人が見たい



2011/03/07 23:36






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