藤アシ



「明日7時に起こして」
ふわあと大きな欠伸をして、藤君がそう言った。この一人で使うというには広すぎる布団に寝るのももう三回目。つまり、藤君の家に泊まりにくるのは三回目だ。
「7時?日曜のそんな早くから、何かあるの?」
目覚まし時計をセットしながら、布団からはみ出る金色に声をかける。その頭がもぞりと動いた。
「落語の再放送」
欠伸まじりの声を聞いて、何だか納得した。目覚まし時計を机に置いて布団に体を入れる。
「アシタバ」
「何?」
「お前、嫁さんみたいだな。」
そう呟いた藤君に、からかいの気持ちが沸き起こる。
「あなた、寝ましょう。」
笑いながらそう言うと、藤君ががばりと起き上がって、僕を巻き込むように布団に倒れた。
「寝る」
ぶっきらぼうなその口調と耳の赤い藤君は何だか面白かった。



2011/03/06 00:17






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