クレ+スタ




ママに頼まれた買い物を終えて、寒い寒いと歩いていた時。雪の上をちょろちょろ走り回る生き物が目に入った。どうやらネズミ…モルモットのようだ。
「かわいいな」
そっと近付いて抱き上げると、モルモットは一瞬驚いたそぶりをしたが、人に慣れているのか直ぐに落ち着いた。このままここにいたら寒くて死んでしまうだろう。それなら連れてかえろうと、マフラーで体を包んでやった時だ。遠くから「ストライプ」と何かを呼ぶ聞き慣れた声が聞こえた。声の方向を見ると、どうやらクレイグのようだ。
「おーい、クレイグ」
そう言って手を振ると、クレイグはこちらを向いた後、腕の中のモルモットを見て走ってきた。
「ストライプ!」
「ああ、なんだクレイグのペットか。」
モルモットを手放すのを少し残念に思いながら渡すと、彼は一瞬顔を緩めた。赤い頬と冷たい手から、相当な時間探していたことが分かる。
「もう逃がすなよ」
そう言って踵を返すと、「おい」と呼び止められた。いつもと変わらない、抑揚のない声。
「…サンキュー」

なんだ、クレイグって意外とかわいいじゃん。



2011/02/27 11:22






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