青帝 初めて事に及んだ後、布団に寝っ転がった先輩がぽつりと呟いた。 「死にたいなあ。」 その掠れたな声はけだるい色気を持っていてかなりそそられるが、しかしその一言はかなりショックだった。 「…どういう意味ですか。」 布団から出た上半身は白く、男子高校生にしては細すぎる。意外と長い睫毛は、ちかちかと輝く電灯に照らされて影を作っていた。 「そのままの意味だよ。」 脱いだ彼は中性的で不思議な色っぽさがある。彼の第一印象が「ちんちくりん」だったので、そのギャップは大きかった。 「…ショックです…。」 自分と事に及んだのを後悔しているのだろう。利用して利用される関係から一歩進んで、やっとここまで来たというのに。今更ひどい、ひどすぎる。 「…幸せってさあ、ずっと続かないじゃん。」 先輩が小さく呟いた。ドラマや小説で使い古された台詞。 「だから、幸せな時に死んじゃいたいって思ったの!」 先輩はそう大きな声で言うと、布団を頭まで被った。 先輩、一生ついていきます! 2011/03/10 18:36 |