日常風景


***万事屋とヒロイン's***



二人とも新八と同い年ぐらい設定。



『銀ちゃーん!お登勢さんから家賃の請求来てるよー!』


時は幕末。
天人と呼ばれる地球外生物(平たく言えば宇宙人)が鎖国状態であった地球に開国を求めて早幾瀬。
僕はとある縁で知り合ったこの坂田銀時率いる万事屋銀ちゃんで、またとある縁で友人とともに働かせて貰っている。


「おいおい美香、来て早々なにいや〜な情報持って来てんだよ」

『スナックお登勢の前通りかかったときに言われたんだから仕方ないでしょ。てゆーか坂田さんは家賃滞納し過ぎです』

「葉樹ちゃんも居たのね〜てか葉樹ちゃん、いい加減その坂田さんてヤメない?仲悪いみたいじゃん?他人みたいじゃん?」

『まあ他人ですからね』


あっさりばっさり銀ちゃんのコトバを切り捨てる葉樹。
娘が反抗期だよ…と泣いたふりをしながら僕に甘えてくる銀ちゃんの頭を、とりあえずなでなでしておいた。


『あ、新八くん、先に掃除しててくれたんだありがとう。ほんと、どこぞのぐうたらプー太郎と違って新八くんはいいお嫁さんになるよ』

「葉樹さんおはようございます。てかなんで嫁なんですか…」


苦笑いしつつ丁寧に突っ込む新八くんはさすが眼鏡だ。
(Σいや意味わかんねーよ眼鏡関係ねーだろ!)


「美香に葉樹、待ってたアル!まったく、2人がいないとこのむっさい空間に可愛い乙女が私1人だけで可哀想ネ」

『大丈夫、神楽が襲われたら問答無用でぶっ飛ばすから!葉樹が!』

『なんであたし!!?いやそりゃ神楽ちゃんや美香を傷モノにしようものなら子孫を残せないくらいにはしてやるけど』


ぼそっと葉樹が呟いた言葉に、顔面蒼白になって股間を押さえた野郎ども2人は見て見ぬフリをする。


「葉樹はやっぱりかっこいいアル!」


そうやって飛びつく神楽を、「おっと」なんていいつつ優しく受け止め、頭をなでる葉樹はやっぱりこの万事屋の中で誰よりもイケメンだとおもう。


「美香は可愛いよなぁ」


後ろから引き寄せられて抱き付いてくる天パ男は、こんなんなのにいざという時は頼りになるイケメンなんだからギャップが激しすぎる。


『ちょっと坂田さん、美香から離れてください!』

「なに葉樹ちゃん嫉妬?かーわーいーい。でもごめんね銀さん美香ちゃん一筋だから」


そんなことを言って、耳元で低音ボイスのイケボで「な、美香」なんて囁きながら顔を寄せて頬ずりしてくるもんだから、僕の顔はきっといま真っ赤だろう。


『・・・てめぇ銀時あたしの前で美香に手ぇ出すたぁいい度胸してんじゃねぇか』

「ちょ、葉樹?落ち着いて?ねっ?」

「やっちゃえ葉樹あの天パを海の水雲にするアルー!」

『銀ちゃんくすぐったいよー』

『落ち着いてとか言いながら美香の腰撫でてんじゃねぇよ糞天パ。今日こそてめぇに勝ってやるから表出ろや』

「へぇ、葉樹ちゃん俺に勝てるの?俺葉樹ちゃんの剣術のお師匠様だよ?お師匠様にそんな態度とっていいのかな?」

『最近は真選組にも春雨にも稽古つけてもらってますから』

『春雨!!?なに勝手に危ないとこ行ってるの!!!!』

「春雨ってバカ兄貴のとこあるか!?変な病気移るから行っちゃダメアル!!」

『あ、やばい口が滑っちゃった』

「そんな危ないことをする子に俺の美香はあげませーん」


ちゅ、と腰を抱き寄せて、頬に口付けしてくる銀ちゃん。


『もー、銀ちゃんスキンシップ激しいよ。そんなんじゃ銀ちゃんイケメンなんだから女の子勘違いしちゃうよー?』

「美香には勘違いして欲しいからやってるんだけど、」

『え?』


ちょっと意味がわからないよ。


『甘い空気をぶった斬る!!!!!!』

「かっこいいアル葉樹ー!!!」




「ちょ、もう、4人とも!近所迷惑だから静かにしてください!!!!」


「「『『うるさい眼鏡』』」」

「眼鏡のなにが悪い・・・ってかなんでこんなときだけ息ぴったりなんだよてめーら!!!!!」



ぎゃーぎゃー、わーわー。
いつもうるさくて、でもやるときは5人で団結して解決する。
そんな万事屋銀ちゃん、今日も開店です!















いつも元気に陽気な万事屋!
優秀な5人がお迎えしますので、御用の方はお気軽にお立ちよりくださいな?















(…なにやってんだテメーら)
(あ、土方さん、このあと真選組に行ったら稽古つけてくれますか?)
(……まあ、少しなら)
(やった!土方さん大好きです!)
(っ、うるせぇ!///)

(・・・・・・・・)
(ふふ、不服?銀ちゃん)
(んーん、俺が好きなのは美香だけだから)
((素直じゃないなあ))
















この話の中では銀時→美香です。
けど、身内にはとことん甘い銀さんなので、可愛い愛弟子にちょっと邪な感情を抱きつつある多串くんのことは快くおもってません。
でもそれを見た鈍感勘違い野郎な美香ちゃんには、「銀ちゃんは葉樹のことが好きなのに素直になれないから嫌がらせで僕に甘えてるんだな、可愛いなぁ」って思われてます。
どこまでいっても救われない坂田さん。

これだけ設定をもったけど続かないよ!笑