バーン×ガゼル&源田×佐久間
「源田」
「バーン」
「「アイスが食べたい」」
かくして俺と源田はこの二月の寒空の下、可愛い恋人のためにコンビニへと向かうのであった。
「なんか…お前も苦労してんだな」
「そうでもないさ、佐久間は素直になれないだけだからな」
穏やかで年の割に落ち着きのある源田と大雑把で俺様タイプな俺は一見して相性が悪そうに見えるが、女王様気質の恋人を持つもの同士、なんとなく波長が合うのか、実は結構仲がよかったりする。
「そりゃガゼルもそうだけどさー。ってか俺ら超健気じゃねぇ?キャラじゃねぇけど」
「そんなお前がそこまで世話をやくんだから、相当好きなんだな、ガゼルのこと」
「な、てめ…!」
「あぁほら着いたぞ、早く選んで帰らないと」
悩みだか惚気だか分からない話をしながら、さっさとアイスケースまで歩く。
色とりどりのアイスの中から、迷うことなく同時にひとつを取り出した俺らは、どちらともなく吹き出した。
「慣れてんな」
「そっちこそ」
お互い、相手の好みなんて把握済みだ。
そうしてまた来た道を戻って帰宅すると、そこにはこたつで丸くなったガゼルと佐久間がいた。
口を開けば憎まれ口ばかりで可愛気のないこいつだけど、顔はその…か、可愛い、と思う。寝顔は天使、なんてよく言ったもんだ。
緩みそうになる顔を必死に抑えながら、ぷにぷにとガゼルの頬をつつく。ちらっと源田の方を見れば、愛おしむように佐久間の髪を撫でていた。
…ま、こうして扱き使われたりするけど、なんだかんだ好きなんだよなぁ。
ちなみに寝顔に夢中になっていた俺たちは、アイスの存在をすっかり忘れていて。
もちろん二人が起きる頃にはでろでろに溶け切っていたことは、言う迄もない。
尽くせど尽くせど報われぬ
(それでもやっぱり君が好き)
「この馬鹿者!アイスはすぐに冷凍庫に入れろといつもいつも言っているだろう!全くどこまで大雑把なんだ君は…!あぁもう勿体ない…今すぐ片付けろ!」
「そしてもう一回買ってこい。わかってると思うけど、三分以内に買ってこれなかったら二度とお前と口きかねぇからな…ダッシュ!」