バーン×ガゼル


「ガゼル」

普段より低い声でバーンが囁く。
以前"その声に弱いんだ"とこぼしたら、彼は誘う時、常にこの声を出すようになった。そんな些細なことでも覚えていてくれて、愛されているのだなと酷く安心する。
ずくりと熱がうずく。

「なあ、こっち向けよ」

相変わらず耳元で、今度は耳に唇を寄せながら。今、私は後ろから抱き締められている。背中越しでも伝わってくるバーンの熱は、確実に私を溶かしていく。身体も、思考も、全てとろけてしまうのだ。

「…バーン」

首だけ向けて、お返しとばかりにとびきり甘えた声で名前を囁いた。
バーンの熱が上がる。回された腕に力が入る。ぎらぎらとまるで獲物を狙うかのように光る金瞳に捕らえられる。

そうして恐らくこれから起こるであろうことを想像し、私はうっとりと目を閉じた。




期待する女王様
(この瞬間が、好きなんだ)
(調子に乗るから言わないけれど)










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