明洸中出身、しかもバスケ好きの彼女の僕に対する印象はけして良くはない。
それはわかっている。
反抗的な彼女の目を初めて見た瞬間。
なにかしらのアクションは起こすだろう。
それもわかっていた。
バスケをしているとき。
ギスギスとしたいつもの雰囲気を感じない。
ドリンクになにかを仕込まれるわけでもない。
そこまではバスケ好きの彼女のプライドがあってのことだろう。
優秀なマネージャーとしての能力を部活で発揮している。
しかし学生としての僕に変わった瞬間、それは襲い掛かってくるのだ。
「じゃーん、見てみて田中くん。猫耳」
「うわあ、それ誰に使う気?」
「もう、赤司に決まってるじゃん!」
「ちょっと照れた風に言うけど君、目がマジなんだけど」
「マジのマジでターゲットは赤司だ!」
「どうやって僕にそれをつけようって?」
「そりゃあ背後をとって…………うわあ!背後から赤司!?」
「そろそろ君は仕返しを覚悟をしたほうがいいよ黒坂」
………このバカは本当にバカだ。
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