はみ出した魔法

呼び寄せ呪文を使ってはみたが駄目でした。

箒がうまく使えないというトリッキーさが味方し、なんとか鍵を捕まえました。
三度目ともなると可哀想だな鍵も。

それでもどれだけ時間が過ぎただろう。

次の部屋は…。
チェスだ。

「ロン?」

気絶したロンが倒れていた。
私が部屋に入ると同時にチェスの駒が復活していく。

「あー、戦えと」

ロンを端に追いやり対戦をする。
レーシュ相手にやってきたから勝てるような気がする。

最終局面。
五分五分といったところだろうか。
しかし僅かにあちらが勝っている。

「……どうしよう。」

あの駒を進めては負けてしまう。

「カナデ!そっちの駒だ!!」

ロンが叫んだ。
そっちの駒とはナイトのことか。
……ロンの言いたいことがわかった。
こうすればいいんだ。

ロンのおかげでチェスに勝利した。

僕をおいて先に行け、というロンの言葉に次の部屋へ向かう。

いやな臭いが鼻をつく。
これは、トロールか。
今は気絶しているようで安心した。
前のトロールより倍近く大きいのだから。
流石に負けるわ。

次の扉を開けようとしたとき、扉がひらいた。

「ハーマイオニー!」

「カナデ!?あなた、待っているんじゃなかったの?」

「来ちゃった」

カレカノの会話ではありません。

「もう進めないわ、瓶が空になっちゃったもの」

「瓶?でもたぶん大丈夫だよ!」

「え?」

「答えだけ教えて!」

ちゃっかりと答えをねだる。

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