はみ出した魔法

フリットウィック先生の試験は最悪だった。
何故パイナップルを机の端から端までタップダンスさせられるか、がテストなんだ。
タップダンスってなんなんだ。
と、タップダンスが出来ない私は思った。

タップダンスを理解しなければあのテストは難しいと完璧に踊らせたらしいレーシュは言った。

マクゴナガル先生の試験はネズミを【嗅ぎタバコ入れ】に変えることだった。
美しい箱は点数が高いらしいので変身術がまあまあ得意な私は可愛らしい装飾の箱に変えた。
クリスタル製の箱に変えたらしいレーシュの話は聞かなかったことにしよう。

スネイプの試験は【忘れ薬】を作ることだった。
魔法薬が苦手な私はクィレルばりにおたおたしていたのだろう。
スネイプが二回も見回りに来た。

最後の魔法史の試験も終わり、開放的な気分を味わっていると、浮かない顔をしているハリーを見てロンが言った。

「ハリー、もっとうれしそうな顔をしろよ」

「いったいこれはどういうことなのかわかればいいのに!」

ん?話が噛み合っていないぞ?

「マダム・ポンフリーのところに行った方がいいわ」

「僕は病気じゃない」

これは警告、危険が迫っている証拠だと言うハリー。
レーシュは何か考え事をしているのか、腕を組んで黙っていた。

ロンとハーマイオニーの話に腑に落ちない顔をするハリー。

ふくろうが空を飛んでいく…。

突然ハリーは立ち上がった。
眠たそうなロンがどこへいくのかと聞いた。

「いま、気付いたことがあるんだ」

顔を真っ青にしたハリーに私はうとうととしていた目をさました。



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