はみ出した魔法
ハリーたちが罰則を受けているのに、私たちは帰りを待っていることしかできなかった。
その間、ハリーから聞いた話を纏めておこうとレーシュと決めた。
「ずっと思ってたんだけどさ、犯人って本当にスネイプなのかな」
二人の推理入り交じるまとめが中盤に差し掛かったとき、レーシュが言った。
「え、違うの?」
「犬に足を噛まれて引き摺るほどのドジがそんな犯人とか器用なことできるわけないだろ」
「そんなこと言わないであげてよ!」
ドジって…なんかお茶目に聞こえてきたわ。
「というか怪しいのはクィレルだ」
「クィレル先生?なんで?あんなに臆病なのに」
あの万年おたおたしてる人が犯人だとは思えない。
だいたいスネイプに脅されてるんじゃなかったか。
「ただの勘なんだけどな。それに演技って可能性もあるだろ」
「えー、一年も演技するとか無理くない?」
私なら出来ない。
「それは…うーん。でもそこまで出来なきゃヴォルデモートの手先にはなれないんじゃないか」
「そっか。すごいね」
「ああ、すごいな」
その日、結論は出なかった。
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