暗い人気のない獣道。
タヌキやキツネの飛び交うずっとずっと奥には野生の花畑。
そして古い社があった。
風の音が響くそこに、二人の男女が向かい合っていた。

「君がこの社のカミサマかい?」

「…………うん。あ、ちょっと待って今最終局面なの」

少女、やよいは携帯ゲーム機をピコピコピコピコと弄っている。
暫くして敗北を示す機械音が社に鳴り響いた。

「あ、負けた」

「君は、人生から外れた敗者の目をしているんだろうね。」

礼儀がなっていない!と少年は今も目すら合わない少女に溜め息を吐いた。
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