学パロ
淫魔が魅せる悪夢
「センセ、結婚おめでとう御座います」
まるで機械音のような声が誰も居ない教室に響き渡った。
「―――跡部くん」
バサリ、座席表が手から滑り落ちる。背中には嫌な汗が流れて、膝がガクガク震えだした。
「そんなに驚かなくてもいいでしょ?よく、二人で会ってたじゃないですか」
跡部くんはクスクス笑って、ゆっくり俺に近づて、俺の前に座った。
「それにしても、先生も酷いですよね、俺が居るのに――婚約だなんて」
跡部の言葉に息を呑んだ。――酔いの勢いで、生徒と関係を持った事を今更、後悔する。
「―――ごめんね、跡部くん」
俺は君を愛していないよ、出かった言葉を呑み込んだのは、差し出された画面に愛しい恋人が写ったからで。
「――なかなか綺麗な人ですね」
「彼女に手を出さないでくれる?」
跡部くんの手から携帯を奪うと、驚いたような顔を跡部くんはつくる。
「…先生も、そんな顔するんですね、まあ、俺には興味もない話題だけどな」
「―――ンッ」
ツゥー、と跡部くんの指がズボン越しに俺のモノに触れる。
「つれないこと言うんじゃねえよ…、俺はアンタのに馴染んじゃったっていうのに」
「――んッ、じゃあ、俺はどうすればいいんだよ」
椅子をギイギイと鳴らしながら、跡部くんは「別にどうも」と笑う。
「まあ、あえて言うんだったら…」
悪魔は妖艶に俺に微笑んで、口付けを落とす。
“俺を捨てるな、センセ"
ああ、跡部くんの言葉が呪縛となって俺を絡みつく。