ある思想家の墜落 | ナノ


 終わりました、ある思想家の墜落。14話と広い世間で見れば短いと言われよう数字ですが………完結まで2ヶ月ほどかかってしまいました。間にクリスマスにお正月と海外と日本のビックイベントが勢揃いです。
 さて、晴れて完結となった思想家(長いタイトルなので略させていただきます)であれこれ言いたいことが溜まりに溜まってこの後書きで爆発しそうです!! ここからはネタバレ上等、いやネタバレ以上のネタバレがありますので未読の方はバックすることをオススメします。乱文で興奮状態で書きました。



 まずはタイトルである『ある思想家の墜落』からです。
 このタイトルは自作ではなくタイトルサイトの花畑心中さんから拝借したタイトルです。正直に言ってネーミングセンスは最悪なので私はほとんどタイトルサイトにお世話になっている身です。
 で、解説に回りますが言わずもがな『ある思想家』は主人公の棗に該当します。本来の思想家とは全く意味は違い、漢字通りな思想家です。簡単に言えば妄想人や幻覚患者とかですね。
 『墜落』は視ていた幻が消えたことを意味します。最終話に近づくにつれ、歪んでしまった棗の目と耳は真実に戻っていきます。『真実とは人生だ。』その言葉のように、彼自身の意思に逆らって無情にも。ちなみに真実〜云々の言葉は√14で使われたフランツ・カフカの言葉です。本当は彼の違う真実の言葉を引用したかったのですが惜しくも書き留めていた物が消え失せてしまいこちらを引用させていただきました。
 最終話は13となりますが、ifエンドの最終話は14です。始めに何話書くかで考えた際に14と考えていたので、絶対に14で終わらせようとしました。14にどうしてこだわったのかと言うと、アメリカのゲームでパラグラフ14へ行くことはゲームオーバーを意味するみたいです。しかも「死ぬがよい」ではなく14の時点で「死んでしまった」状況のようです。詰み。まさしく生きているのが大前提の主人公にとったら終わりを意味します。他にもヒロインの杏のモデルとなった『さよなら絶望先生』のメインヒロインの風浦カフカの出席番号が14なこともありました。

 この話を書こうと思ったきっかけは、先ほど話題に上がったように『さよなら絶望先生』の30X話です。
 感動的な最終回の次に書かれたif。30X話は本当に衝撃的でした。『さよなら絶望先生』は最終回に近づく度に舞台の真実が徐々に浮き彫りとなる久米田先生ラストです。その中で共同幻想やイタコなど痛切な世界が露となりました。ヒロイン皆死者。これほど衝撃的なハーレム漫画はないと思います。
 それで、こんな話を書いてみたい!と若い私は思ったわけです。設定を練る前にヒロインは既に死んでいる設定にしました。そして主人公にである彼女は絶対に幽霊じゃないと。幽霊じゃなければ何か。私なりの答えは「幻」でした。ここで大まかな筋までの肉付けは完了しました。
 そこからあれやこれやと考え、最後に残ったのは主人公を誰にするかです。
 考えていた時辺りでしょうか。ブラコンのアニメ化が発表されて、前なブラコンのCDで棗さんに一目惚れしたのを覚えていて主人公を棗さんにしようと思いました。ちょうどヒロインと錯覚する対象物を猫と置いていたから良かったです。

 本質と言えば聞こえがカッコよくなってしまいますが、伝えたいことは色々ありますがとりあえずは最終話で棗が言った「幽霊でも良いから会いたい」との台詞です。
 始めっから幽霊なら棗は救われました。こんな風に真実に目を背けて苦しむ必要なんてありませんでした。でも現実はフィクションのように都合が良いわけがない。幽霊が都合よくほいほい出てくるわけじゃない。いや例え出てきたとしても、棗には絶対にヒロインの幽霊は見えません。それが現実です。それが真実です。だから棗は歪ませた、その真実を。でも、騙し騙しも付け焼き刃でやがて剥がれて壊れていきます。それこそ繋いだ楔が砕けてしまうように。

 13と√14の違いは棗とヒロインの末路の違いとなります。彼らのどこが違うのかと言えば、それは『止めてくれる人がいたか否か』です。13では椿や梓、絵麻ちゃんが止めに来てくれたから棗は生きることができました。
 でも、杏には止めてくれる人がいませんでした。棗は止めようとしたが間に合わず………いや、止めさせてくれなかった人間。杏は加浦杏じゃない自分で死のうと思っていて、そこに棗がいるのが許せなかったのです。
 彼女が棗に対して偽名を名乗ったのは現実の自分を憎んだり嫌っていたから。棗が信用していないと言うのは自分の理想しか見せようとしないからです。棗といる時間以外の彼女は彼女が思い描く理想から外れに外れきっています。事細かに書いてしまったら色々とヤバイので書けませんが。後、加浦杏の由来はフランツ・カフカの『カフカ』から加浦、杏は『赤毛のアン』からです。赤毛のアンは偽名を名乗ることがあり、そこから取りました。もちろん、簡単な由来は風浦カフカと赤木杏からです!!!
 棗が幻を見た彼女の姿も、それしか知らないとこともありますが直感的に彼女がそう望んでいると思ったからでしょう。


 ここまで長々と乱文を書いてしまいましたが、これで本編で分からなかったとこは荒くも分かっていただけたら幸いです。
 ある思想家の墜落を書けて良かったです。この話は最初から3回ほど書き直した話で、やっと産み出せた子です。
 ここまで読んでいただいてありがとうございます。夢小説にしては珍しいジャンルで奇っ怪すぎるジャンルでありますがこんな後書きまで読んでいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。
 本当に、ありがとうございました。


〆20140205 シノ




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