本命は特別 2/2




「ラクサス!」
叫ぶと、ラクサスは歩みを止め振り向いた。
「…どうした、ガジル」
「いや、その…。ど、どっか行くのか?」
ラクサスの歩くスピードが速かったため、息を切らしたガジルがたずねた。
「別に…。家に帰るか、と思ったぐらいだ。
 …あれ以上ギルドにいたら、山どころじゃなくなりそうだったしな」
最後の方は小声だったが、ガジルの耳にははっきりと聞こえた。
やっぱり迷惑だろうか。
ラクサスが意図的にチョコをおいてきたことに、不安はつのるばかりだ。
「で、お前はどうしたんだ?」
再びラクサスがたずねる。
渡すなら今しかない、が…。
「…いや、なんでもねぇ」
ギルド戻る、とUターンし歩き出したガジル。

しかし、止めたのはラクサスだった。
「…おい、待て」
声色から察するに怒っているようで、怖い。
立ち止まったものの振り向けずにいると、ラクサスがため息をついた。
「お前…。俺にチョコねぇのかよ?」
「は?」
拍子抜けし、ラクサスの方を向く。
「いらないんじゃねぇの?」
「他の女からはな」
あ、微妙にいらついてきてる。
ガジルはあわてて自分のチョコを渡した。
「…ありがとな」
ラクサスが目を細め、ガジルの頭をなでる。
それだけで満ち足りた気持ちになる。

…渡せてよかった。

「ラクサス」
「なんだ」

「好きだ」

バレンタインは気持ちを伝える日だって、ミラジェーンが言ってたからな。

END



レビィがすごくかわいそうになってしまった…!
レビィ、ごめんー!(泣)
ガジレビとラクガジを混ぜたかっただけなんだよ←
遅刻してしまいましたが、バレンタインということで。
一応2月中フリーです。


********


ハッピーバレンタイン!!
ほろ苦くても砂糖のように甘くてもみんなにハッピーバレンタイン!!
ちゃんと好きな事を伝えられたガジルに悩殺されました。
素敵なフリー小説をありがとうございました!!


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