時空を超えて トロ様より一周年記念リク



「てなわけで来たぜ」


「どういう訳だよ!!」

華麗に登場したのは、魔道四輪に乗ったエドラスのナツ。
その登場に、アースランドのナツは突っ込みをかます。


「え、なんでいんのお前!?てか、タイミング考えろ」


眉間に皺を寄せるナツの後ろには、ぽかんとしているガジルの姿。


「最高のタイミングじゃねえか。で、お前ら何してんだ」



「最悪の間違いだろ。何ってデート」


「違うだろ。お前が飯奢るっていうからついてきただけだ」


「ツンデレだな!!」


「黙れ飯がまずくなる。とりあえず、なんでエドラスのサラマンダーがいるんだ」


「さあな、俺も分らねえ。ただ走ってたら、いつの間にかって感じだ」


「そうか、とりあえず下りろよ」


車に乗ったままのエドナツに言うが、冗談じゃないと返された。


「まあ、こいつ車から下りると・・・」


「ちょ、やめろ!俺を下ろすな!」


無理やり引きずりだすと、さっきまでの強気はどこへやら。
その場にしゃがみ込み、小動物のようにぷるぷると震えだした。


「す、すいません・・あの、僕・・・」


「お前、その性格めんどうだな」


「ひぃっ!!ご、ごめんなさいいいい!!」


「サラマンダー、自分いじめてやるな」


「いやいじめてないから!!」


ぼろぼろと涙を流すエドナツを見て、ガジルはため息をついた。

仮にも自分を倒した男が、別の世界とはいえこんなに弱弱しいとは。


「複雑だな・・・」


そういって立ち上がり、体育座りをしているエドナツの前にしゃがむ。


「おい、いつまで泣いてんだ」


「あ・・えと・・」


「いいから泣きやめよ」


ぽんと頭に手を乗せると、エドナツはどんどん赤くなっていく。


「あ、ああああはい!!す、すみません!」


「お、おお・・・」


忙しいな、こいつ。

そう思っていると、突然後ろから抱きしめられた。
咄嗟のことに反応できず、そのまま抱きしめられる形になる。


「なにすんだサラマンダー!」


「ずるい!俺に対してはいっつもツンデレなのに、なんでそいつには優しいんだ!!俺だって頭撫でてほしいし、むしろヤりたい!!」


「どさくさにまぎれて変態発言すんなあああああ!!!」


「へぶぉっ!!!」


勢いよく頭突きを顔面に食らわせると、ナツはそのまま後ろに倒れた。


「たく、いい加減自重しろよ」


「あ、あの・・・大丈夫ですか?」


「ああ、これくらいじゃ懲りねえしな」


「は、はあ・・・」


ナツを足蹴に、ガジルはエドナツの腕を掴む。


「いつまで座ってんだ。せめて椅子に座れ」


「は、はい・・!!」


倒れているナツを放置し、ガジルは近くのベンチにエドナツを連れていく。

手をひかれながらトコトコとついてくるエドナツを見ながら、ちょっと可愛いと内心思ってしまう。
自分の知るナツがアレなため、なんだか新鮮だ。


「とりあえず、お前は帰る方法を考えろ」


「そ、そうですね・・」


そわそわとして落ち着きのないエドナツの隣に座り、その赤い顔を見つめる。

姿形はまったく同じなのに、性格がここまで違うというのは少し興味深い。
なんというか、人見知りする子犬のようで可愛い。
心なしか、目つきも悪くない気がする。


「なあ・・」


「はいっ!」


ぴんと背筋を伸ばし返事をするエドナツに、ガジルはつい笑ってしまう。


「お前、おもしろいな。サラマンダーとは思えねえよ」


「え、いや・・・僕はその・・・」


慌てるエドナツに近づき、じっと顔を見る。

りんごのように真っ赤になったエドナツは、歳より幼く見えておもしろい。


「サラマンダーも、お前くらい可愛げあったらな」


「・・・あの、ガジルさん」


「なんだ?」


急に真剣な顔になったと思えば、がしっと腕を掴まれる。
一体どうしたんだ。


「その、ぼ、僕は・・・すごい弱虫で、臆病で・・く、車が好きなだけですけど・・でも、す、好きな人のことは大事にするって自信はあります!」


「お、おう・・・・・へ?」


「だ、だから!ぼ、僕と付き合って・・・」


「言わせるかあああああ!!!」


「ぎひゃっ!」


本日二度目。
後ろから抱きしめられる。

そこには、青筋を立てたナツがエドナツを睨みつけていた。


「お前、俺のガジルに何言おうとしてんだよ!!ガジルは俺の嫁だ!!」


「ちげえよ!!?いつそんな話になった!?」


「で、でも僕もガジルさんが好きなんです!!だから、絶対幸せにします!」


「ちょ、おま・・」


「こいつを幸せにすんのは俺だ!お前はさっさとエドラス帰れ!!!」


「む、無理です!!」


ぎゃーぎゃーと言い争う同じ顔の二人。

はたから見れば、双子の喧嘩にしか見えない。
だが、何度も嫁だの結婚だの幸せにするなど言われれば、さすがに恥ずかしい訳で。


「お、お前らいい加減にしろ!!」


「無理!!」


「これだけは引けません!!」


「〜〜〜〜〜っ!!!」


真剣な顔で言われ、ついときめいてしまう自分がいるのが悔しい。

二人に密着されたままのガジルはそう思った。







(やっぱり、ナツはナツだな・・・)









エドナツの口調がなんか変?
本誌でのガジたんのお兄ちゃんっぷりを見て、こういう一面いいじゃない!!と思うと、おどおどしてるエドナツに優しく接するガジたんもいいな、と。

リクエストありがとうございます!!


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頑張れエドナツ(あれ?)
弱気ながらも頑張るエドナツに、ガジルと一緒にキュンキュンしました!!
でも、いつも通り変態なナツも…変態、はナツに対しての褒め言葉です(キリッ)
奪い合われるガジルを間近で見たいですねハァハァ
本当に素敵な萌をありがとうございました!!
そして一周年おめでとうございます!!


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