「妹子」

あまり気に入っていない名も、好きな人に呼ばれればそれだけで心が弾む。呼んだ本人はその唇を潤わせてこっちを見つめている。おいで、と手招きすると嬉しそうに寄ってきて顔を近づけ、どちらともなく合わさる唇…と思いきや今日は違った。いつもは何回か軽く口付けてそういった雰囲気になった際僕から舌を入れるのに、最初から埋め込まれた舌は貪るように僕の咥内を堪能する。上顎から唇の裏まで丹念に舐められ、舌をじゅるじゅると吸われてしまえば否応なしに腰に響く。加えて自室に響く水っぽい音は僕がさせているんでなく僕がさせられているという事実。細い指に両頬を覆われ、顎は完全に上がってしまった。男としてこれじゃまずいと思いつつもこんな積極的な彼女をもっと見ていたいという好奇心から何もせず、手持ち無沙汰な手は彼女の腰に置いている。それに少し、いやだいぶ気持ちいいんだ、これ。
満足気にゆっくりと顔を離す彼女の高揚した表情ときたら。こんな顔は僕だけが見ることが出来るんだと思うと優越感しか生まれない。

「やけに積極的だね?」

上がってしまった息を悟られないように、余裕を含んだ顔でそう告げると彼女は少し照れながらだけどもはっきりとした口調でこう言った。

「今日は私が上でいい?」

小首を傾げながら尋ねる彼女があんまりにも可愛いものだから、上って意味がよく分からないまま首を縦に振る。頬を綻ばせた彼女は僕の腰紐をするりと解く。続けて自分の腰紐も解く。覗いた胸の形に目を奪われていると視線は天井を映した。あれ、もしかしなくても押し倒された?呆気にとられている僕に跨って見下ろす彼女は悪戯中の子供みたいだった。

「え、待って、上ってそういう…?」
「うん。妹子は今日なにもしなくていいからね」

ふぅ、と耳元に優しく吐息をかけられると全身が震えた。続けざまに耳から首、鎖骨と流れるように息を吹きかけられ震えは止まらない。あ、僕興奮してる。
はだけ露わになった胸の突起を一度舐め上げられた後にまた吹きかけられて、冷んやりとした感覚に思わず小さな声が漏れた。

「勃ったぁ」
「っ、あっ…」

情けなくもぴんと勃ってしまった胸の突起を指で弾かれ、面白いくらいに身体が反応する。素直な反応に気を良くしたのかより一層笑みを深くした彼女はもう一度口を付けた。左胸は舌で転がされ右胸は指でこねくり回される。たまらず彼女の背中に置いていた手を下に降ろしたけど、それをやんわりと制される。

「何もしないでって言ったでしょ」

そんなこと言われたって正直もう我慢ならなくて今にも形勢逆転して押し倒したいんだけど。もしこのまま彼女に任せたらどこまでしてくれるのかな、って好奇心もあって。悩んだ結果今日は言う通り身を任そうかな。

「じゃあ早く下も触ってよ」
「早漏妹子ちゃんは我慢が出来ないのかなぁ」

くすくす笑って下着の上からゆるりと撫でられたそこが焦れったくて気持ちいい。ちなみに名誉にかけて僕は早漏じゃない。確かに既に濡れてるかもしれないけど、ちょっとだけだし。ゆっくりと降ろされた下着から出てきた自身が、外気にさらされただけで反応する。この状況を楽しんでいるのは彼女よりも僕の方かもしれない。脚の間に顔を埋めて、大きく開けた口で僕のものが包まれる。生温い咥内の柔らかさとほどよい締め付けに自然と腰が揺れて首の辺りがぞわりとする。口でしてもらうなんて久しぶりすぎてきっとこのままやられたら簡単に果ててしまう、なんて上ずりはじめた頭で考えていたら別の所が急に圧迫感を感じて驚きながら股の間に視線を戻す。

「ちょっ、なに?! ぅ、わっ」

唾液と少しづつ出ていた液とでドロドロになった彼女の指がゆっくりと肛門に押し入ろうとしていた。いくら彼女の指が細いからって入れるべきではないところにそんな簡単に入るわけもなく、ただ慣れない圧迫感だけが僕を襲う。

「力抜いて」
「無理だからっ!ちょっと、ほんと、にっ …あっ」

変わらず指で弄られながら自身の先端に舌を這わされ思わず喘ぎ声が漏れた。全身から力が抜けたその一瞬を逃さなかった彼女の指が少し、本当に少しだけ中に進んで入り口を広げるように撫でられる。逃れられない異物感が不快でたまらない。

「もうやだ、お願いなまえ… ひっ、やめ、て」
「本当に嫌って思ってる?」

どきりとした。嫌だよこんなの、女の子みたいに頬を染めて涙目で高い声だして。嫌だけど、どうして僕は縛られてもいない腕を動かせないんだろう。
口ごもった僕を放ってまた股間に顔を埋めた彼女は生温い咥内に再び含んで舌をまとわせる。根元も擦られ相変わらず入ったままの指先がぐちぐちと刺激を続ける。気持ちいいのと気持ち悪いのと、混ざり合っておかしくなりそうだ。気付けば耐えることも忘れて漏れ出た声が絶頂が近いことを知らせる。腰もいつの間にか浮いていた。

「……っ、あ、 …はぁ、」

いつもだったら外に出すのに流されるまま精液を咥内に吐き出した。満足気に僕を見下ろす彼女の顔がいやらしいったらなくて、また腰が疼いたけれど気づかない振りをして目を逸らす。

「どうだった?」

癖になりそう、だなんて言うもんか。

*Thanks request
裏で攻め夢主と妹子
150603
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