今僕は夢の中にいる。ぼうっとした頭で分かるのはそのくらいだった。しかしこの世界では恐らくそれが一番重要。だってこれは夢なのだから。

そら く ん

柔らかい音で名前を呼ばれて、左を向けば彼女が柔らかい笑顔を携えて立っていた。ああ、駄目だ。戻って。そちらにいては呑まれてしまう。引き寄せたいのに僕の両手は異様に重く、満足に伸ばすことができない。まるで僕の時間だけが取り残されてしまっているようで焦りで心が揺れ動く。足もその役目を果たそうとはしない。動けよ、早く、彼女を、こっち、へ、

気付けば彼女はもうそこにはいなかった



今僕は夢を見ていた。ぼうっとした頭で分かるのはそれくらいだった。しかしこの世界では恐らくそれが一番重要。だってこれは現実なのだから。

「あ、起きた」

耳にはっきりとした声が届いて、頭が冴えてくる。髪の流れを整える様に撫でる手は、ずっとそうしていたのだろうか。

「ちょっと、寝ていました」
「うん。5分くらいだったけどね」

5分で人間夢見ることが出来るらしい。ただもうその内容は霞みかかっている。彼女が、出てきたということはぼんやりと分かるのに。

「いつまで撫でているんですか」
「いやぁ、曽良くんの髪って直毛つやつやすべすべで楽しくって」

にんまり笑う彼女のその手首を掴んで自分の元へと引き寄せる。簡単に僕の腕の中へと収まった彼女の肌は暖かくって心地が良い。

「んんっ ちょ、曽良くんっ」
「まだ中は濡れていますね」
「そりゃあんだけされた、ぅあっ ん…」

寝転んで抱きしめながら、彼女の後ろに手を回し中を弄る。とけてしまいそうなくらいの熱さは夢では到底味わうことができない。

「おいで」

起き上がって胡座をかく。その上に彼女を乗せて腰を沈めさせればぎゅうぎゅうと僕にしがみついてくれる。彼女に触れられている所がどんどん熱を持ってくすぶってとどまって、頭が浮かされ思考が覚束なくなるんだ。まるでそう、夢でも見ているような。

「なまえ…」
「ふっ、くすぐったい」

胸に顔を埋めて心音に耳を傾ける。彼女は確かに此処にいるし暖かい。なのに何故こんなにも心が落ち着かないのだろう。いつか、消えてしまうとでも思っている?

「曽良くん、ちゅー、して」
「…舌出してください」
「んぅ… ふぁっ ん…」

絡めとった舌、湿り気を帯びた背中、上ずった声、締め付けて来る膣内。それだけじゃ僕は安心なんて出来っこないから。

「ひゃっ そらく、…ふっ あ、」
「ずっと、側にいて下さいね」
「ん、いるよ。一生いる」

ああ、好きだなぁ。



*Thanks request
ちょっとオトナで甘い曽良くん
130809
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