Hold me,touch me,please.


※臨也がAHO
※○LEACHの12巻の番外編にうっかりもえた産物です









ハロー ハロー。

こちらベッドの中。
因みに愛しい愛しい恋人と
一緒にベッドの中。

システムオールグリーン。

コミュニケーションは不健全…


―――――

「シーズちゃーん…」
「ああもう…死ねよお前消えろよお前つかお前を殺す。」
「ひどいなぁ」

昨日の夜中、道端ですれ違った酔っ払ってたシズちゃんをホテルに連れ込んで、その、まあ……なんかノリでヤった。
俺は前からシズちゃんを好きで、そしてシズちゃんも多分俺を好きで、所謂相思相愛なんだけれど、なまじ俺たちがこんな性格だから、まともに会うことも無くて、ましてや夜の営みなんてほっとんど出来なくて。

ここ最近は忙しくて、俺も溜まってた。でもそれは、シズちゃんも同じだったみたいだ。

いつもより気持ち良さそうだったし。なんか結構喘いでたし。…ま、可愛かったから良いんだけどさ。

俺たちのまともな会話って言えば、こうした時くらいで。お互い生まれたままの姿でしかまともに話せない…いや、もう寧ろ身体でしか会話出来ないって言うほうが正しいのかも。

未だに街で会えばいつも喧嘩。喧嘩。
――こんなシズちゃんを口説き落とした俺を褒めてくれないかな?


「ねぇ…シズちゃんって俺の事本気で嫌いなの?」

ちょっと嫌味混じりに言ってみる。シズちゃんは、ため息をついて巨大な枕に顔を沈めた。

「…………嫌いだ」
「俺は好きだよ」

もぞ、とシズちゃんの顔が向こうを向いた。

「……馬鹿か…俺は手前なんざ嫌いだっつってんだろうが。」
「でも俺はシズちゃんを好き。シズちゃんが俺を好きかどうかなんて、関係無いね。」

俺がそう言うと、決まってシズちゃんは煙草を取り出す。ほら、今だって床に乱雑に落ちていたベストを持ち上げて胸ポケットを探ってる。

「…シズちゃん、副流煙って知ってる?」
「別に手前がガンになろうが知ったこっちゃねぇよ。」
「………もういい。」

余りにもつれない態度のシズちゃん。俺は不貞腐れてベッドから降りた。

「…帰んのか。」

床に落ちていた下着やら服やらを俺が集めてベッドにばさばさと落としていると、シズちゃんが向こうを向いたまま煙を燻らせてポツリとそう溢した。

俺は下着を履きながら、帰るよ、と我ながら無愛想な口調で返事を返した。そして。


「…ね、もういっそ別れちゃおっか?」
「―っ!っげほごほッ!!」


俺がそう言うと、煙草を吸っていたシズちゃんが噎せて咳き込んだ。ていうかちょっと待ってよ。その反応ウブ過ぎない?

コートの袖を通して、俺は着々と帰る準備を進めていた。

「だってシズちゃんは俺の事嫌いなんでしょ?俺が好きなだけ…一方的な片想いって訳だ。」
「そんなこと――!」


――“そんなこと?”

「……え?」

振り返った瞬間、しまった、という顔をしたシズちゃんが、ちゃっかり煙草を灰皿に揉み消したあと掛布団を引き被った。

「何でもねぇ!!さっさと帰れよ!」
「えー?続き、聞きたいんだけどなぁ。」

ベッドに乗り上げて、シズちゃんの耳元辺りに寄る。肩の辺りを掴んで、そのまま背中にかけて手を這わせた。

「…っ」
「ほら…“そんなこと”…何?」

言ってごらん?


シズちゃん好みの甘くて低い声で。


「そんなこと…な、い…っ…から…」
「……良くできました。」

シズちゃんにしてはホント頑張った方だと思うよ。偉い偉い。
ぺろんと布団を剥いで、キスを贈る。……真っ赤になって、可愛いなあ。煙草のせいでちょっと苦かったけれど、シズちゃんだからいいやって思える。

普段は嫌いだ嫌いだって言われているけれど、本当の本当は、シズちゃんは俺が好きで好きで堪らないって事も知ってる。

要するに素直じゃない。


だから、最近分かるようになったんだ。

子供舌のシズちゃんが、酔っ払って俺に絡んでくるときは、そういう合図なんだ、って。


どういう合図かって?
…それこそ、俺だけ知ってれば良い話さ。いくら積まれたって、この情報は売れないなぁ。







ハロー ハロー。

こちらベッドの中。
因みに愛しい愛しい恋人と
一緒にベッドの中。

システムオールグリーン。

コミュニケーションは…







20110319








すみません!!!
日付を跨ぐどころか大分オーバーしてしまいました!

9999HIT竜間さまキリリク、「いつも男前だけどふとしたときにデレちゃう静雄」でした。素敵なリクエストありがとうございます。


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