実は〇〇 ※臨也キャラ大崩壊 ※R15 「ただいまー」 自宅兼事務所の我が家に、ただいまも何も無いけれど、それでも臨也は、リビングに続くドアを開く時に、それを言うことを習慣にしている。 「今日は珍しく早いな…」 時計を見上げつつそう言うと、臨也は照れもせずに「だって早くシズちゃんに会いたかったんだもん」などと口走った。 「…ッ」 かぁぁ、と耳に熱が集中するのを感じて、静雄はいたたまれなくなり思わずまな板に、ドガッと包丁を突き立ててしまった。 「ぁああああーっ!!」 「あーらら、なにやっちゃってんのー」 ケラケラと臨也は笑っていたが、静雄は軽くパニックを起こし、豆腐を切るかのようにずっぷりと直角に刺さってしまった包丁と、切りかけの野菜とを見て「ステンレスにも貫通しちまった!!」と、ずれた心配をしてしまう。 そんな様子をにこやかに眺めていた臨也が、大丈夫大丈夫、と宥めてきた。しかし、 「キッチンごと買い換えれば良いじゃない。あ…何ならリフォームでもしようか?微妙に気に入らない間取りなんだよねぇ……」 などと一般家庭上がりの静雄からしてとんでもない事を口にするものだから、余計に気が気で無くなった。 本当に、金だけはある奴だと呆れ顔で、釘を刺しておく。 「リフォームは要らねえだろ」 「うーん…でも俺としては、もっとシズちゃんと暮らす空間を快適にしたいんだよねぇ……そうなれば、ほら、何処でもヤr」 「それ以上言ったらころすぞ万年発情期野郎。それで無くてもいつでもどこでも始めようとするだろうが、しね。」 「人間は誰しも万年発情期なんだよシズちゃん。それと平仮名の"ころす"と"しね"に愛を感じた。」 「文字でしかわかんねえ上にこの上なくウザい、死ね」 「酷い!?」 ……実は、臨也と静雄のやり取りはいつもこんな感じなのであった。 そして、キッチンの惨状を一緒に片付け始めたのだが、いつの間にやら床に倒れ込み、結局いつもと同じ事を繰り返しているのであった―――………… ・・・・・ 「……吐」 「ねぇねぇクル姉っ、これってもしかして今まさに――もがっ!!」 「静」 「んん……ぷはッ!盗聴器仕掛けて良かったね!こんな面白いのが聴けるなんてさっ!ま、私は女の子同士のが燃えるし、気持ち悪いだけなんだけどねーっ!!きゃはは!」 そして、その様子をこっそり盗聴器で聞いていたのは、臨也の双子の妹たちだった。 しかし、臨也が盗聴器の存在に気付かない筈が無く、つまりはわざと残しているということになるのだが……。 『――ねぇっ、シズちゃん…もしさ、この部屋盗聴されてたら、っどうする?』 『ん、っは……ぇ?』 『だから、盗聴されてるとしたら、どうする?』 『そんな事ある訳…――っあ、うぁ…っ』 『それがさあ……あるんだ、よ、ねっ』 『ひ、ぁっ!…う、そだろ……?』 『えっろい声も音もぜーんぶ、誰かに聞かれてるとしたら……どうする?』 『!?――ま、て …ぁ、あっうぁ!やめ、ろ』 『あれぇ?もしかして興奮してる?さっきかr――――― ブツン と、そこで二人は盗聴を止めた。 「怒」 「……人をダシに使って言葉責めなんて…最ッッ高に燃えるけど気持ち悪いっ!!イザ兄、私たちをダシに使って自分だけ楽しんでるしっ!!」 「酷」 それからは、折原家に盗聴器は仕掛けられなくなったのだとか――― 何も知らない静雄が、暫く口を利かなくなった事が、臨也の唯一の誤算だった。 2010/12/02 拍手文から移動← 何となく、最後の下りをやりたくてやってしまいました(笑) シズちゃん実はMとかいいですよね!ね!? 2011/01/25 拍手から移動 |