愛ってやつ?



※くっついてます
※甘いです
※R15



「……疲れたー」

どかっと身体をベッドに沈ませる。ちょっと働きすぎたかな…。何せ取引先が送検されて、ややこしいことに、なって…。

やっば……眠いや。
今日は特別な、日だっ、て…いうのに……。

指も動かしたくなくて、俺は家に帰ってきたそのままの格好で、だらしなく四肢を投げ出してベッドの上に転がっていた。

「……帰ってきたのか」

ふと、耳慣れた声が聞こえてきて、顔を開いたままのドアへ向ける。

「……シズちゃーん…」

やっばい…
怒ってないかな…?
今日は早く帰るって、だから家においでよって、俺が誘ったのにこれだしね。怒ってるかもなぁ…。

なんて考えながら、上半身だけ起こして、私服に着替えたシズちゃんが近づいてくるのをぼんやり見つめていた。
シズちゃんのやたら背の高い影がベッドに写って、咄嗟に俺が身構えた、次の瞬間。

「おかえり」


サングラスを外していたシズちゃんは、労るような、それでいて不器用な手つきで俺の頭を撫でた。
とても直視出来ないような柔らかい表情で。

咄嗟に俺は頭に乗せられた手を引き寄せて、そのまま立ち上がってシズちゃんに抱きついた。
「っ?!いいいっ、臨也!おい」
「………もー…不意打ちすぎだよシズちゃんさぁ…。」

でも抵抗はされなかった。
それに甘えて思いっきり強く抱きしめて、不覚にもちょっと涙が出そうになってたのを堪える。


「…お前、今日は早く寝ろよ」
「……俺、疲れてるし眠い。」
「……ああ…」
「すっごく、眠い。けど、さぁ……」
「……」

Tシャツを着たシズちゃんの、鎖骨辺りをくるりと触って、

「……ねぇ…?」


……そんな物欲しそうな顔されたらさ、俺。

「…んっ、…」




――
シズちゃんは分かりやすい。
すぐ思ってることが、口に出さなくても、顔や行動に現れる。
でも、時々何を考えてるのか分からなくなる。……だから面白い。
そして不思議でもあるんだ。


シズちゃんは、いつも俺の欲しい言葉をくれる。


離してなんかやらないよ。
そういうとこ、結構気に入ってるんだ。

―――


こういうのを、……



って…言うんだろうね?


「……臨、也…っ」
「愛してるよ、シズちゃん」
「……ぁ、嘘、だろ」
「本気だよ――っは…急に、狭くしないでよ」
「…あ、ぁ…も…っ」
「嘘、今日早くない?」






――……おれも





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