囮捜査はほどほどに
タイトル未定
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「へえ。そんなに凄い捕物劇があったんですね。僕も見たかったです」
 暢気(のんき)にそんなことを言う遠藤の体のあちこちには、未だに包帯が巻かれ、絆創膏が貼られている。
「お前なあ、そう部外者みたいなことを言うなよ」
 そう言って苦笑っているのは進藤で、藤堂は遠藤が淹れた珈琲に静かに口をつけた。

 遠藤が捜査一課に戻って来て、早くも数日が過ぎた。遠藤が負った怪我の具合は思っていたより酷く、数日はベッドから動けなかった。
 ただ不思議なことに痛みは全くなく、動くことが出来るようになると直ぐ退院も出来たのだ。
「それにしても、死んでもまだ復讐を果たそうとするなんて怖いですね」
 どうやら今回の犯人の三田村は性犯罪者を13人殺害しようと計画していたようで、志し半ばにして死刑が執行されたことで、どうした訳か三十年ぶりに犯行を再開したようだった。
「結局は11人ですか。二人、足りませんね」
 実は進藤はそのことが少し気にかかかっていたが、お祓いもしたことだし、もう再犯はないと言えるだろう。念願のお茶汲みに戻った遠藤は、

[*前へ][続く#]
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