となりにいて



『ジャーン』

「…ナマエか、なんか用かよ」

『何その言い方、用がなきゃ話かけちゃいけないの?』

「そういうわけじゃねぇけど…」




幼馴染のジャン
一緒に訓練兵となった。ジャンは内地で暮らすため、私はジャンを守るため調査兵団に行く。
こいつは、口はまぁ悪いちゃ悪いんだけどね、でもすっごく優しくて良いやつなんだ…ただ気づいてもらえない事が多いんだよね性格上。




『…ジャン、隣座るね』

「おお」

『こんな夜遅くに外でて寒くないの?』

「お前に言われたくねぇよ、ナマエこそ、寒くねぇのかよ」

『うん、大丈夫』




ジャンの隣に座れるのは後何回あるのだろう。憲兵団に行ったら、やっぱり好きな人とかつくって結婚したりするのかな?私の事なんてだんだん忘れていくのかな?




「…どうした」

『え?』

「なんか思ってるだろ、言え」

『……』

「…言え」




ぽんぽんと温かい優しい手が私の頭を触る。ジャンの手はいつの間にこんな大きくなったんだろう…
昔は私と同じくらいだったのに




『…ジャンは、憲兵団入ったら結婚するの?』

「…そうだな、結婚するかもな」

『……そっか』

「その頃には更に綺麗になってんだろうな、将来が楽しみだぜ」

『………』




ミカサの事を言っているのか?
まさかミカサと結婚出来るとでも思ってるのか!?バカだ!!




『…まぁ、せいぜい内地で長生きして、楽しく暮らしなよ?幼馴染のナマエさんからの祝いの言葉ね!』

「…は?」

『夜遅くまでありがとね』




少し寒くなったからそろそろ部屋に戻ろうと立ち上がった。ジャンに言葉を残して、足を前に出して歩き出そうとしたら、体が動かなくなった。




『!?』

「どこいく気だよ、まだ話は終わってねぇぞ」

『え、え!?』




なんと、後ろからジャンに抱きしめられてる。驚いた、え、なんで?




「俺の結婚する相手、聞きたくねぇのかよ」

『…ぁ、う、でででも、エレンが調査兵団に、行くから、ついて行っちゃうよ…』

「…なんでエレンについてくんだよ」

『え!?だ、だってミカサはエレン大好きだし…』

「バカだろお前」

『ジャンに言われたら、お終いかも…』




おい、とドスの効いた声が聞こえると同時に軽く頬を叩かれた




『いてっ…』

「ナマエの事に決まってんだろ?」

『っ!?…ででででも!私も、調査兵団に…』

「やめちまえ」

『ジャ、ジャンを守らないと…』

「自分の身くらい自分で守れる、ナマエの助けはいらねぇ。それに、お前は俺が守る」

『…ジャン、』

「一生俺の隣にいろよな」

『うん、うん…!ありがとう、ジャン』




これからもずっと君の隣で…







2014.09.06

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