唐突で申し訳ないが、どうかリヴァイには失礼のないように…とエルビン?エルヴィン?まぁどっちでもいいや。調査兵団の団長さんに言われた。 失礼なんてしません!当たり前です!私はずっとリヴァイ兵長に憧れてきたんですから 「エルヴィン入るぞ」 「あぁ。(いいか、絶対だぞ?)」 『(はい!任せてください!)』 リヴァイ兵長は、手に一枚の紙を持って団長の部屋へと入ってきた。 「この書類なんだが…、ん?お前誰だ」 『リ、リヴァイ兵長!今日この日からリヴァイ班の一員になりました!!…なんか思ってた以上に小さいですね!目線が同じです!』 「ナマエっ…!!」 「………」 …あれ?私なにか酷い事言いましたか? 団長はすごい焦ってるし、リヴァイ兵長は…目だけで人を殺せるんじゃないかってくらい私を睨んでる。 『…なぜ怒っているんですか?』 「ほう、自分が言った言葉を理解出来ねぇ程のバカなのか」 『なっ、バカは酷いですよ!』 「お前も酷いが。…おいエルヴィン、なんでこのようなバカを俺の班に勧めた」 「…腕は確かだ」 「チッ、気に入らねぇ」 『よろしくお願い致します!』 「お願いしねぇ」 『えぇ!?リヴァイ兵長は私の憧れなんですよ!』 「憧れに放つ言葉をよく考えてみろ」 『…はい。リヴァイ兵長ってケチなん…』 「ナマエーー!!!今日はもういいから部屋に帰りなさい!」 『…はい』 「二度とその面見せんな」 『私リヴァイ班なんで無理ですね、はい』 私はスキップをしながら団長の部屋を出ていった。 「アイツ俺の班から外せ」 「…無理だ」 「…チッ、仕方ねぇな」 *** リヴァイ班の一員になった日から数日経ったある日。 『あー!リヴァイ兵長ー!!』 「…朝からうるせぇ」 『今日は外壁調査?でしたよね!一緒に頑張りましょう!』 「勝手に頑張ってろ」 『そんな事言って…死なないでくださいね!』 「俺は死なない」 『言葉はカッコいいのに背が低いって残念です!』 「削ぐぞ」 私は今日もリヴァイ兵長に話をかけるが、いつも最後には怒られる。おかしいな…、別に何もしてないのに… 「おいナマエ、ぼさっとしてねぇで来い」 『は、はい!』 でも、やっぱり兵長は優しいと思う。 あれだ、いつもは厳しくて、ときどき優しくなるヤツ!…なんて言うんだっけ? 「あ、リヴァイ兵長!」 「…エレンか。ちょうどいい、コイツを頼む」 「え?」 『あ、ツンデレ!』 「…いや、エレンです」 「バカかてめぇ」 『あ、こっちの話でした。すみません。エレンよろしくお願いします!』 「あ、はい」 ふむふむ、猫みたいな目だ!つり目でしかもデカい!! 女の子としては羨ましい限りです。なかなか可愛い顔してるね… 『エレン、可愛いです』 「え、ありがとうございます…?」 『これが年下なんですね』 「え、ナマエさんおいくつですか?」 『エレン!女性に年齢を聞くのはダメですよ??でも教えてあげます、私は…』 「そういうのはいい、早く掃除しろ」 「『はいっ!』」 それからエレンと一緒に兵長の部屋を掃除し、廊下を綺麗にピカピカにしてあげた。 ツルツルだよ!誰かさんが転んじゃうくらいツルツルだよ!! 「…俺の事ですか?」 『あれ?そう聞こえなかったですか?』 「…ムカつく」 『年上にムカつくとか言うの禁止ですぅー』 「…お前ら、何している」 エレンと手を休めて廊下で喋っていたら兵長が人相悪く話しかけてきた。 何してるって、見ればわかりませんかね?? 『やだなー、掃除ですよ そ・う・じ!』 「掃除に話が必要なのか?」 「す、すいません…」 『沈黙すぎてもつまらないだけですよ?何事もやる気が必要ですから!』 「…はぁ」 兵長、ため息つくと幸せが逃げるっていいますよ?まぁ嘘ですけど。 「…ナマエ」 『はい、何でしょう…』 「少し話がある。着いて来い」 『うえ、めんどくさいです』 「……」 「ナマエさん!兵長を怒らせないで下さいよ!!」 『わ、わかりましたよ!行きます行きます!』 黙りとした兵長の後ろを歩く私。いつもと変わらない兵長の背中だったが、今はいつもと違う気がした。ほら、オーラとか?雰囲気って言うのかな?ザックリ言うとふざけたらいけない感じね!! そしてあっという間に兵長の部屋へ、、、 「…おい」 『は、はい…』 「お前は、エレンみたいな奴がいいのか?」 『は?』 「だから、お前はエレンが好きなのかと聞いている」 そんな怖い顔してるからてっきり怒られるかと思ってた。そしたら全然違う話だった。え?なに?私はエレンが好きだと思っているんですか?この人は… 『エレン、ですか??エレンは弟みたいな感じです』 「恋愛感情は?」 『ない』 「…わかった。悪かったな、呼び出して」 『…いえ、あの、兵長?』 「なんだ?」 『そんな事聞くって事は、兵長は私みたいなのが好きなんですか?つまり、それはエレンに嫉妬したって事ですよ、ね?』 聞いた途端、俯いた兵長。 そしてしばらく続く沈黙、先にその沈黙を破いたのは彼だった。 兵長の鋭い、けど温かさがある瞳で私を見るとこう言った。 「だったらなんだ、別に迷惑はかけていないだろう」 『そ、ですね…』 「…それともなんだ?俺が嫌いか?」 『いや、わりと好きです…』 な、なんか調子狂うなぁ… 兵長はチビで厳しくて怖い顔してるくせに、優しいし、たまにこんな感じで温かい瞳で見てくれるし…なんだかんだ頼りになるし、隣にいると安心するし心地よいと、感じてはいました。 「チビと怖い顔は余計だがな」 『…心読むのやめてくださいよ』 「…どうもお前がいないと、落ち着かないらしい」 『へ、兵長が望むなら、一緒にいます、けど?』 「そうか、なら一緒にいろ」 そう言って抱きしめてきた。 彼の息が私の首筋にあたると、どうしようもなくくすぐったい。けど、包まれてる体が温かくて離れたくもない。幸せだ 『す、好きです兵長』 「俺の事が好きだったとは、気づかなかったな。いつも馬鹿にされていたしな」 『あ、愛情の裏返しですよ!』 「…ナマエ、俺もお前が好きだ」 そう、これは愛情の裏返しなのです! 2014.09.04 [prev] | [next] |