視線の先には



窓側の1番後ろで皆を観察している。
ジャンの視線の先はミカサ。ミカサの視線の先にはエレン。ライナーの視線の先はクリスタ。ベルトルトの視線の先にはアニ。
私の視線の先には…




「…ナマエ何?僕の顔に何か付いてるかな…?」

『うぇ!?あ、いやいやいや何も付いてないよ!』

「…そ、そっか」

『う、うん!』




右斜め前のマルコ。
危ない危ない…、マルコのことずっと見てたなんて言えない。絶対に言えない。


うぅ、でもさ、これ私の視線を感じて振り向いたって感じだよね…?
なにそれすっごい恥ずい!
…でも、それでもマルコを見てしまう私ってすごいと思う。いや〜ギリギリ見えそうで見えないあのマルコの横顔は可愛い!!




「………」










***



やっと退屈な授業が終わり、10分休憩がやってきた。前の授業の教科書をロッカーに入れようと席を立ったところで、マルコも教科書を持って席を立った。
同じタイミングだったことに胸がドキドキして、俯きながらマルコの少し後ろを歩いてる。

だけど廊下に出てすぐマルコが後ろを向いてきて、私に話をかけてきた




「ねぇ」

『な、なに!?』




思わずバッと顔を上げてしまった。
恥ずかしい…




「さっきから僕の事見てるよね?」

『あ、えっと……』

「その、そんなに見られるとさすがに恥ずかしいんだけど…」

『…ごめんなさい、』




彼に迷惑をかけていた事に今更気づいて、その事に泣きたくなってまた俯いた。




「ち、違うよ迷惑とかじゃなくて!…僕は、そういうのに慣れてないっていうか…、どう反応すればいいのかわからなくて…」

『私のこと嫌いだったら何も反応しなくていいよ』

「いや、それは出来ないよ」

『無理しなくて大丈夫だから…』

「違うってば」

『お願いだから無理しないで』

「だから!!僕はナマエが好きなんだよ!!だから無理してない!!!」

『…え、』

「…あ、」




マルコがこんなに大声で叫ぶの初めて見た。しかも顔を真っ赤に染めてまで…




「はぁ、こんなつもりじゃ…。ただどう反応すればいいのかわからなかっただけ」

『…マルコ』

「なに?」

『私もマルコが大好きっ!!』

「うわっ!」




私は涙目でマルコに抱きつくと、彼は驚いてはいたが、ちゃんと私を受けとめてくれた。
と同時にお互い持っていた教科書が床に落ちた。




『マルコ好きだよ』

「うん、嬉しいな、僕もナマエが好き」

『私も嬉しいよ!』




彼は可愛らしい笑顔でそう言ったから私も笑顔で応えた。すると唇に柔らかい感触があった。ほんの一瞬だったけど…




『…っ!』

「あはは、ナマエの顔真っ赤だ」

『マ、マルコも真っ赤だよ!』

「ナマエ、マルコ、ここ廊下」

『「ジ、ジャン…」』




ここが廊下だって事、途中からすっかり忘れてた…!





(ナマエ、熱い視線してもいいけど…ほどほどにね)
(うん…。でも、ずっと見ちゃうかも…)
(っ!…わ、わかった)
(おい、そこイチャついてんじゃねぇよ!クッソ!!)




20140107

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