初めての恋の予感



食堂で1人優雅に過ごしていると、コニーが音を立てながら隣に座ってきた。
なに、コイツ…




『びっくりした』

「ごめん!それよりさ、ナマエはこの中で彼氏にするなら誰がいい?」

『…はぁ?』




唐突にコニーがそう言うと、エレン、アルミン、ジャン、マルコ、ライナー、ベルトルトが集まってきた。
え?一体何が起きてるの?




「俺も含めて誰がいい!?」

『はぁ?』




コニーの言ってる事はわかる。私はとりあえずこの中から1人選べばいいのかな?
そうだなぁ、この中だったら…




『…ベルトルトかな』

「おぉ!そうか、よかったなベルトルト!」

「えっ…あ、うん」




コニー達よ、1人だけ選んだから早くどこかに行ってくれないかい?優雅な時間を邪魔しないでもらおうか…

なんかどこぞの兵長みたいになったな




「よし、わかった!」

『うん』

「ナマエ、ベルトルトとデート楽しめよ!」

『うん……は?』

「よ、よろしくねナマエ」

『おい待て、意味わからないから。なんでベルトルトとデートになるの?』

「だってナマエが彼氏にしたいって…」

『はぁ?あれは例えばの話で…』

「ぼ、僕じゃ不満だよね…。コニーやっぱり…」

『…っちょっと待った!!わかったよ!デートするからそんな悲しい顔しないで!?』

「ナマエ…」

「じゃあ決まりだな、頑張れよ!」

『…チッ』




コニー達はベルトルトをこの場に置いて、それぞれの席に戻って行った。

自分勝手な人達、まるで嵐だよ。そして残された場所にはなんとなく気まずい空気が流れてる気がする…




「あ、あのさ…」

『うん?』

「これから、出掛けない?」

『…いいよ、どうせデートしなきゃいけないからね』

「ありがとう!」




うっ…初めて見るけど、ベルトルトの笑顔って可愛いな…。
仕方ない、ベルトルトに免じて今日だけ付き合ってあげるか


町へ出掛ける準備をする為、お互いの部屋に戻った。デートだから少しはお洒落しないとだよね…。
化粧をしていたから時間が少々かかってしまった。女だからって慣れない事するから




『ベルトルトごめん遅れた…!』

「全然大丈夫……あれ?少し化粧してる?」

『え?うん、私も女だからちょっとだけと思って…』

「すごく似合ってる」

『…っ、』




…ん?あ、あれ?
私の心臓がドキドキいってる。それに、だんだん顔に熱が集まってくる感じがする…。ベルトルトと遊ぶだけなのに今日の私おかしいな…




「じゃあ、行こうか」

『う、うん』

「あの…、手、繋いでも大丈夫…?」

『えっ!?』

「こ、これはコニーがデート中に手を繋げって言ってきたからで…!」

『あんのクソ坊主。…わかった、はい』




私に向けられているベルトルトの手のひらに、自分の手と重ねると、優しく握ってきた。
私も慣れない手つきで握り返す。

ベルトルトは身長が高ければ手も大きい。それに温かかった。
やっぱりドキドキする…




『…ベルトルトは何か欲しい物とかあるの?』

「え?あ、えっと…」

『…ないの?』

「うっ…ご、ごめんね…」

『別にいいよ、それに広場とか行ってゆっくり過ごすのもいいよね』

「う、うん!」

『じゃあ行こうか』




今まであまり関わった事がないベルトルトと一緒に手を繋いで歩いてるんだ…。こんな不思議なこともあるんだな。


…ってか私思ったら男の子と手を繋いで歩くの生まれて初めてじゃない?
ちらっと隣を見上げると、身長の高い彼の頬が少し赤く染まっているのがわかる。私と同じでベルトルトも緊張してるんだ…。
…あれ?でも、私がさっきベルトルトを指名したからデートしてるんだよね?楽しいと思ってくれてるの?




『ねぇ、ベルトルト』

「なに?」

『私といて楽しい?』

「え、楽しいよ?」

『…本当に?』

「え…、ナマエは楽しくないの…?」

『いや!久しぶりに楽しいよ。けどさ、ベルトルトは私が指名したせいでこうなってるんだよね?辛くないのかなって思ったから』




これに関しては私の自分勝手な気がするし…。コニーが一番勝手だけど。

すると、ベルトルトが凄い勢いで両肩を掴んできた




「そんな事ないよ!」

『べ、ベルトルト!?』

「僕は、ナマエに名前を呼ばれた事が嬉しかったんだ!」

『ベルトルト…』

「それに、今こうしてナマエと手を繋いで歩いてるだけで楽しいし嬉しいよ!」

『…っ!』

「…うわ、変なこと言ってごめん!!怒らないで!」

『て、照れてるんだよぅ…バカ…』

「…っ!」




私はあの中でまともなベルトルトを選んだだけ、ただそれだけだった。まさかデートする事になるなんて思ってもいかなったけど。


…けど、ベルトルトとデートしてわかったんだ、私はきっと彼に恋をした。…たぶんだけどね






(ベルトルト、隣に座ってもいい?)
(…ナマエ!?ぜ、全然いいよ!)
(ありがとう…)
(なぁ!あの後どうだったんだよデート!)
(え、えっと…)
(ありがとコニー、すっごく楽しかったよ)
(お、おぅ…ならよかったぜ)



20140106

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